デッサンの練習は描く方法を知ることで楽しく上達する!!

どうも!Houichiです。絵を描いたり、絵を教えたりしています。

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油絵具で描く絵画作品
油絵の具で描く絵画作品

デッサンの基本はまず目で見たように物を描けることですが、そんなこと言っても、初めての時や始めたばかりの場合は難しいですよね。僕も始めた頃は明暗の調子を描くのが苦手で、形を取ってから調子を描いても、すぐに挫折したり、飽きたりして、放置したままにしていました。。。(苦笑)

そこで、僕みたいにならないための方法を考えたところ、ある点にたどり着きました。。

そしてこれは、目で見て描く力がそこまで定着していなくても楽しくかける練習法です。

結論としては、やっぱりまずデッサンの技法に触れてみることですね。まずは道具に触れてその使い方を知ることで楽しくかけるようになります。。

モチーフ見ることだけではなく、画材を使うことに焦点を当てた練習法ですね。

この描き方を学ぶメリットとしては、デッサンするときに、そのモチーフの適切な質感表現ができるようになることですね。もう一つは同じ描き方でマンネリした時に気分転換できることですね。

では技法を解説して行きたいと思います!

その前に、動画でデッサン技法の解説を見たい人はこちらをご覧ください!

目次
・クロスハッチング
・パラレルハッチング
・ クルクルタッチ
・ 擦る
・ 曲線タッチ
・ 点描
・スクラッチ
・ ねりゴムによるかすれ消し
・ねりゴムによる擦り回し消し
・ねりゴムによるたたき
・直感描き

・クロスハッチング

これは、一番基本的なデッサン描き方ですね。日本語では線を交差させるという意味ですね。線を交差させることで、したの紙や鉛筆の線の色を少しずつのぞかせながら、豊かな中間色の幅を作ることができるんですね。銅版画などでよく使われる技法ですね。

有名な銅版画家でアルブレヒト・デューラ という画家がいるのですが、彼はハッチング の達人です。銅版画で均一にハッチング をするのはとても難しく根気のいる作業ですが、彼は見事に何枚も素晴らしいハッチング による版画作品を残しています。。

アルブレヒト・デューラー

「騎士と死と悪魔」 (1513年)/銅版画 エングレイビング技法


もっと分かりやすいもので言えば、お札ですね。色々な長さや、異なる幅の線が密集して偉人の顔が描かれていますよね。

鉛筆デッサンでハッチング をするときのコツとしては線同士の感覚を詰めることです。隙間の幅が線の幅を超えないように引くと調子の変化を上手に付けられるようになります。

ただ、早く描くときはどうしても線の隙間が空いてしまうので、そのときは多めに線を重ねるようにしましょう。

・パラレルハッチング

パラレルハッチングは同じ方向に並行な線を引く技法です。このハッチング ができると図像的で、センスある雰囲気のデッサンが描けてしまうんですねー。もう一つは、腕の方向を変えずにスイスイ描けてしまうので、慣れれば結構簡単に全体の雰囲気が出せたりします。

でもある程度練習がいる技法ではありますね。

線を引くコツは描き出しと描き終わりに筆圧を弱めて、線の真ん中で力を入れる感覚で引いていくことです。弾力のある線という感じです。

レオナルド・ダ・ヴィンチはこのハッチング が大好きで、よくデッサンやドローイングでこの描き方をしています。ぜひこの巨匠の線の引き方を参考にしてください!

レオナルド・ダ・ヴィンチ

女性の頭部 [大天使ウリエル「岩窟の聖母」]、1483年頃 / 銀筆、紙に鉛白、デッサン、18,1×15,9cm、トリノ、王立図書館

・クルクルタッチ

この描き方はとても簡単で、ゆっくりと柔らかく、フワフワした調子を作るときにおすすめです。。円や楕円を描くようにどんどん上から重ねて、グラデーションや質感を出していく方法ですね。

特に雲や綿、ぬいぐるみやビスケットなどの食べ物でこの技法を使うと、とても描きやすく感じるはずですよー!

・擦る

線でタッチを描いた後に擦るという作業を取り入れると、しっとりとした質感になるんですね。落ち着いた静かな調子になります。特に影などの静かなところの表現に適していますね。

もう一つのメリットとして、線だけで描くよりも3倍ほど早くデッサンが完成します。なので受験デッサンでは、ほぼ必須技法だったりします。。考えてみると線の隙間を丁寧に埋めるのは大変な作業ですよね。擦るのはそれを加速させるようねものです。

ただ注意したいのは、使いすぎると、鉛筆などの調子が鈍くて、メリハリのない画面になりがちなので、描き出しや、影に使う程度にしましょう。

明るい側は制作の後半は使わないようにすることで、カラッとした鮮度のある調子を残すことが出来るんですね。

・曲線タッチ

このタッチもとてもよく使われる技法ですね。曲線タッチの良いところは線で明暗の調子を描く時、モチーフの形態に合わせやすいことですね。例えば手を描く場合は、形が滑らかなので、曲線を使うとその形に張り付いたような印象を与えることが出来るんですね。

僕自身は細部の描き込みにこのタッチよく使ったりしますね。まぶたや、指、球の丸みを出すときに重宝します。。

先ほど紹介したハッチング の達人であるデューラーも曲線を好んで使いますね。

・点描

点描はとても繊細な調子を作ることが出来ますね。点描だけで描かれた絵はどこか瞬間的で、映像的な印象を与えてくれます。

その理由の一つとしては、写真やデジタル画像のように粒子の集積だからだと思います。

特に完成度を上げたいところや、ぶつぶつした質感を出したいときに活用していくことをお勧めします。。

ちなみに絵画で有名な点描画家はスーラですね。主に赤、青、黄の三原色の点を重ねて、離れたときに現実の風景が立ち現れるような見せ方をした画家です。

ジョルジュ・スーラ

「グランド・ジャット島の日曜日の午後」(1884~1886年)キャンバス に油彩

・スクラッチ

スクラッチ技法は消しゴムを使う技法です。まず鉛筆でクロスハッチングをして、暗めの調子を作ります。その次に、消しゴムを使って描いた上からハッチング するように消して明るい中間色を作るやり方ですね

普通のプラスチック消しゴムでも構わないんですが、お勧めは、ノック式のカッターのような消しゴムですね。僕はスレンディーを使っていますが、とてもグリップが効いていて消しやすいですね。。細い線のように消せるので、スクラッチ技法には最適です。

・ねりゴムによるかすれ消し

これも消し技ですね。手順としては、まず先ほどと同じようにクロスハッチング して調子を作り、その上からねりゴムでかすらせながら調子の部分を消して行きます

そうすると見事に綺麗なグラデーションが作れるんですよね!

短時間で調子の幅を増やしたいときはかすれ消しがかなり効果的ですね、特に明る側の調子をきれいに作ることができます。

ただ、消すだけだと画面が弱くなるので、上から薄い鉛筆を重ねて完成させるようにしましょう。。

・ねりゴムによる擦り回し消し

この技法は影側の調子を落ち着かせるときに効果的です。

ただ正直言うと初心者には少し難易度が高めなので、失敗しながら身につけていくつもりで練習しましょう。

やり方としてはクロスハッチングをした後、ネリゴムを軽く描いたところにつけて円を描きながら消します、そうすることで、ねりゴムに鉛筆の粉がついて滑りが良くなりますよね。

この滑りが良い状態で、今度は影を少し淡くしたいところや、しっとりさせたいところを少しだけ先ほどより、力を入れて円を描きながら消していきます。そうすることで、きれいに調子が馴染みながらも色味が少しずつ淡くなっていくのが分かります。

・ねりゴムによるたたき

この技法は初心者でも簡単に明るい中間色を出すことができすね。質感としては、叩くのでやっぱり少しバタバタした感じになります。

でもこの質感がかえって絵の密度を高めたり、有機的なモチーフを描くときには温かみを感じさせるような質感に感じられるんですね。

ジャガイモなどの野菜や肌のしっとりした質感、綿や餅などは使えたりします。また慎重に何度も叩いて調子を整えば、基本的にとんなモチーフにも使えますね。

・直感描き

この技法は線をぐしゃぐしゃ乱しながら引いていく技法ですね。

というより、描き方はなんでもありな感じもします。。。この技法の最大の見せ所は適当に線を引いたときの自由さにあります。その上で明暗をコントロールできれば上出来です!

コントロールしていないように見せておいてコントロールしているそのギャップを楽しむ技法ですね。意外とストレス発散にもなったりします。(笑)

彫刻家にジャコメッティという方がいるのですが、彼も乱れた線をよく使います。だけれども、乱れた線を重ねながら真実の形を追い求めた素晴らしい芸術家です。

アルベルト・ジャコメッティ

「ヤナイハラの頭部」(1956〜1961年)紙、ボールペン

まとめ

今回紹介したデッサンの技法は鉛筆と消しゴムと練りゴム(100均のねり消しでOK)どれも今日からできるものがほとんどです。いろいろな技法を試すことで、手の動かし方や、手首も鍛えられ、描く体力もついてきます。

ぜひ参考にしてください!

最後までありがとうございます。他に、デッサンを描くときに使う道具を詳しく知りたいときはこちらの記事をチェックしてください! → enpitudougu

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