
どうも!Houichiです。元美術予備校講師で、絵を描いたり、YouTubeで動画配信をしています。
美術や絵を愛する全ての人のために発信しています。

油絵やアクリル、水彩など絵を描くための画材は色々あるのは知っているんだけれど、水と油の違い以外いまいちよく分かっていない人に読んで欲しい記事です。
では一体どんな違いがあるのか見ていきましょう。。
目次
・油絵の具の特徴
・アクリル絵の具の特徴
・水彩絵の具の特徴
・油絵の具の特徴
油絵の具は3種類の絵の具の中で一番厚みを保つことができる絵の具です。つまり一番盛り上げができるというわけですね。また艶のある高級感漂う絵の具でもあります。
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高校に入ったばかりの頃の僕は実を言うと材料にあまり興味がありませんでした。
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でも高3にもなると美術予備校に行くようになり、真剣さがボチボチ出てきたそんなある日のこと、予備校の先生がそれまで絵の具の特性について何も説明しなかったからなのか、制作中にふと
「なぜ油絵の具は乾いた後も肉痩せしないんだ??アクリル絵の具は乾くと量が減るのに、、」という疑問が湧いてきました。でも先生に聞くことはなぜかしませんでした。。そこで僕は技法書や美術雑誌で調べてようやく分かったんです。。
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なるほど、実は油絵の具の顔料(色の粉)をコーティングしている油に秘密があったんですね。。。それは一体なんなのか、、
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理由は油絵の具の油は乾燥しても蒸発しないからです。。
そうみたいなんです。。
ではこの原理についてもう少し踏み込んでみましょー。
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1 油絵の具を含め、絵の具は顔料とメディウムがワンセットで作られています。顔料が色の元でメディウムが接着剤です。
2 油絵の場合はこのメディウムに油と樹脂が使われていて、現代は科学ワックスも含まれています。ワックスの原料は残念ながら企業秘密らしいですが。。
3 そして絵の具の油が酸化することで絵の具が乾燥するんですね。酸素に結合した油が描いた画面に止まるから絵の具の量の減り様がないんですよね。。
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「でもアクリル絵の具は水を混ぜずに使っても絵の具の量が減るんだけど、、、なんで??」という経験をしたことがある人もいますよね。
答えは簡単です。。。
絵の具に元々水が含まれているからです。だから水が蒸発した分だけ絵の具の厚みが減るんです。「ええーっ!それだけっ??」それだけでなんです。。。
・アクリル絵の具の特徴
ではもう少しアクリル絵の具について話していきましょう。
先ほどの乾燥後のアクリル絵の具の量の変化はなんとなく分かったんですが、それ以外については水彩絵の具との違いを知らない人もいるんじゃないでしょうか?
僕は高校1年の時にはアクリルを使っていたのですが、当時は不透明な絵の具という程度にしか分かっていませんでした。。。先ほどいったように当時はまだまだ画材に興味が無く、描くことにばっかり集中していました。
だから画材の性質などに興味があまり持てない人の気持ちもわかります。
ちなみに僕はアクリルが水に溶けなくなることを初めは知らず、服を廃棄したことがあります、、、こういうことにならないために一通り絵具の特徴を知っておいた方がいいんじゃ無いでしょうか。
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また性質の理解が曖昧だと何処かで表現の限界が来たり、求める描き方を見つけるのに時間が掛かってしまうこともあります。やっぱり画材の性質を知ることで絵の表現に最大限活かすことができる様になるんですね。
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そこでアクリル絵の具が持つ6つの特徴をまとめてみました。
1 乾燥が早い
アクリル絵の具は乾燥のとても速い水彩絵の具です。
2 重ね塗りができる
アクリル絵の具は透明から不透明まで様々あり、油絵の具と同じまでは行かないんですが、かなり近い感じに厚塗りで何層も重ね塗りが出ちゃいます。しかも油絵の具よりも圧倒的に乾燥が速いです。なぜ油絵のような厚塗りが出来るのかというと、アクリル樹脂もある程度顔料を形固定できるからです。a
厳密には完全にコーティングは出来ていなくて、半分顔料が剥き出しになっています。
そして先ほど言ったようにメディウムなどを混ぜたりしないと、少し肉痩せします。
でもせっかちな人や、期限が迫っている時は重宝しますね。。。
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またアクリル絵の具の中の、アクリルガッシュという絵の具はとても平滑で不透明な色面を塗ることができるのでデザインの平面構成を学ぶ学生はみんな使います。
3 水彩の様な描き方もできる
アクリル絵の具は水で薄めれば簡単に水彩のような描き方ができます。特徴2と特徴3を掛け合わせるとさらに複雑な絵画表現ができちゃいますね。
4 乾くと耐水性になる
アクリル絵の具は乾燥が速い上に、乾くと2度と水に溶けません。3種類の絵具の中で一番洗い落としにくい絵の具なので汚したく無いものは近くに置かないことをお勧めします。。。
5 堅牢で衝撃に強い画面になる
アクリル絵の具は水彩のような描き方もできますが、油絵の具ような描き方もできます。後者の描き方は絵の具を重ねれば重ねるほど柔軟かつ堅牢になり、衝撃に強くなります。
メディウムなどを使えば更に油絵のように見せることができるんですね。
6 紙以外の素材にも描ける
水彩には無い様々な素材への柔軟な適応力もあります。
例えば金属やガラス、木や石などにも描けます。しかも紙に描いたように速く乾燥します。
透明水彩絵の具との違いは4と6ですね。
・水彩絵の具の特徴
水彩絵の具は一番馴染みのある絵の具ですよね。小学校の図工の授業でみなさんが描いたことがあると思います。とてもさっぱりした描き味で誰でも描きやすい絵の具と言えますね。
僕も小学校の時に初めて水彩絵の具を使って絵を描いたんですがその時になぜ緑色しか使わなかったのか、今でも理由がよく分かっていません。。。
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では仕切り直して特徴を見ていきましょう。
1 何度でも水に溶ける
透明水彩は乾燥した後も水に溶かせばまた滲みを作ることができます。なので後からでもグラデーションの微調整が出来るんですね。これは初心者にとってはありがたいですよね。
アクリル絵の具の場合だと後で修正できないのでアクリル絵の具の水彩描きは玄人技ですね。
2 乾燥が速い
水彩絵の具もアクリル絵の具同様乾燥が速いです。なので比較的短時間の作業に向いています。
3 耐光性があまり無い
水彩絵の具は他の2種類の絵の具と比べても光に弱いと言えます。長時間太陽にさらすと変色しやすいです。
4 透明感がある
水彩絵の具の中にも透明と不透明がありますが、どちらも水を混ぜて描くので結局透明っぽい質感になるんですよね。
一番紙の白を活かせる絵の具です。
・まとめ
ということで今回はざっくりと絵の具の種類と特徴を紹介してみました。。
とは言え、まずは楽しんで絵を描くことが大切なので、画材の知識は描きなが学んでもいいと思います。
最後までありがとうございました。では次回の記事でお会いしましょう。
楽しい1日をお過ごしください!
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