油絵の乾く時間ってどれくらい?3つ要点+αをわかりやすく解説します。

どうも!Houichiです。絵を描いたり、絵を教えています。

油絵具で描く絵画作品
油絵の具で描く絵画作品

油絵の具を始めたばかりのときは絵の具の乾燥時間が分からなくて、スムーズに制作が進まないなんてことはよくあることです。

乾かずに色が濁ったり、乾いたと思って半乾きで、画面に乗せた絵の具を削りとってしまったりと失敗例は色々あります。

これ全部僕が過去に経験したことなんですね、、、苦笑

なので今回は油絵の具の乾燥の仕組みとオイルと絵の具の乾燥速度をタイプごとに解説するので、今後の制作に役立ててください。

目次

・1油絵の具の乾く仕組み
・2油絵の具の種類ごとの乾燥速度
・3オイルと樹脂溶液 の組み合わせで乾燥時間を調節
・+α速乾メディウム、活用のコツ

・油絵の具の乾く仕組み

油絵の具は水彩やアクリル絵の具とは違います。水彩やアクリル絵の具は、絵の具に混ぜられている樹脂成分が水の蒸発によって、固まり、画面に定着して乾燥します。

一方油絵の具は油の成分が空気中の酸素と結びついて酸化反応を起こし、固まっていくことで乾燥するんですね。だから乾燥時間が水彩絵の具と比べて穏やかでゆっくりなんですね。

これで油絵の具の乾燥の仕組みがわかってきましたね。。

ちなみに、油絵の具に使われている油は乾く性質を持つ乾性油と空気に揮発する揮発性油の2種類になります。最終的には揮発性油は揮発し、絵の具に残るのは乾性油と樹脂などの成分だけなんですね。

また季節などによる温度と湿度の変化でも乾燥速度は変わってきます。

乾性油の性質上、温度が高い夏の方が乾燥が速く、寒い冬は乾燥が比較的遅くなります。

冬の方が乾燥していて乾きやすと思われがちですが、暑い夏の方が乾燥が速いんですね。。

この性質を理解していけば、計画を立てやすくなると思うので、参考にしてください!

・油絵の具の種類ごとの乾燥速度

次は絵の具の種類ごとの乾燥速度について見ていきましょう。

絵の具に土性顔料の様な有機顔料と金属の様な無機顔料があります。他にも染色用の顔料などもあります。

この中で土性の顔料は比較的乾きやすいのですが、土性の中でも乾きやすさに違いがあります。

一般的には有機顔料の内、茶系の土性顔料が一番速く乾きますし、僕も実際にそう感じます。

1日で乾燥していくのが実感できるはずです。

一方、有機顔料である黄土などの土性の絵の具は溶き油を加えなければ、乾燥に5日ほどかかってしまします。

金属系と染色系は色味によって多少わかりますが、乾燥は遅めです。

特にカドミウムの絵の具はとても乾きにくいので、大量に使うと1週間ぐらい乾かないかも知れません。

などで、そのつもりで使うか、パーマネント系の絵の具と混ぜて使うか溶き油をうまく調合する必要があります。

染色系(透明な赤、クリムソン系や青、プルシャン系)の顔料も乾きにくいので注意が必要です。

・オイル(溶き油)と樹脂溶液の組み合わせで乾燥時間を調節

油絵の具の乾燥時間を調整したり、早めるにはやはり溶き油と樹脂をいかに使いこなせるかが大切です。

乾性油と揮発性油と樹脂の割合についてなのですが、一般的には絵の具に対して乾性油が少なく、揮発性油と樹脂溶液の割合が増えれば増えるほど乾燥が速まります。(絵の具の質の良さは別として、、、)

乾性油はこちら↓

揮発性油はこちら↓

そして絵の具の層を重ねて描く場合は、1層目は主に揮発性油と樹脂を絵の具に混ぜ、乾性油は揮発性油に大して、7分の1程度を混ぜるか、あるいは入れなくても良いでしょう。

実は市販の絵の具にはすでにある程度乾性油が混ぜ込まれているんですね。他にも樹脂や人工的なものも混ぜられていると考えられていますが、企業秘密のようす。。。

2層目以降から徐々乾性油の量を段階的に増やしていき仕上げの層にいくに連れて乾性油の割合を増やしていきましょう。それと同時に揮発性油の割合と樹脂溶液の割合を減らしていきましょう。

最終的には乾性油と揮発性油と樹脂溶液の比率が2:4:0,5になるようにするといいでしょう(有料級)

厚塗りしすぎなければ、およそ1〜2日で乾きます。

比率は人によって様々ですが、樹脂が一番少なくなるのは共通しています。なぜなら樹脂溶液が他の油よりも多くなると乾燥後に絵の具のひび割れが起こりやすくなるんですね。

また揮発性油だけで描いてもひび割れ、と剥がれ落ちの原因になるので最初のうすぬり以外は避けましょう。。

・速乾メディウム、活用のコツ

とはいえ、もっと速く乾燥させたい!とせっかちな人や、受験生には待てない場合があると思います。そんなあなたは速乾メディウムを使いましょう!

正直、僕は高3の春まで怖くて使えなかったやつです 笑

先生からも使ってもいいことがないと言われていたからです。。

でも高3の時に受験という魔物に追い込まれて、ついつい手を出してしましました。。笑

さて、速乾メディウムとは各画材メーカーで販売されている絵の具の乾燥を飛躍的に速めるチューブ入りの溶液なのですが、ホルベイン社 だとラッピドメディウム↓が一番速く乾きます。

また速乾メディウムを使うことで絵の具が時間単位で乾燥が速くなるんですね。

絵の具と速乾メディウムを半々で混ぜれば1〜3時間で乾くでしょう。実際には乾いてないのですが、画面に固定され、動かなくなっていると表現した方が正しいと思います。

ドーピングみたいな感じですね。。

でも半分も絵の具と混ぜてしまうと乾燥は速まりますが、描き味が悪くなり、グラデーション(諧調)も作りにくくなっていきます。

それでも乾いた上から普通の溶き油で次の層を描けるので2層目以降に丁寧にグラデーションを作ればいいんです。

とはいえ1層目でもある程度描きやすさを追求するならば、揮発性油少々(テレピンなど)+樹脂溶液(ダンマル 樹脂溶液でいいでしょう)多め、を速乾メディウムと4:1で混ぜて作ってあげて、、、

ダンマル 樹脂溶液はこちら↓

この混ぜた速乾メディウムを 絵の具→ 2に対し、混ぜた速乾メディウム→ 1の割合で混ぜてあげると比較的描き味もよく、速乾性も高まります。(有料級)

 

ただ速乾メディウムだけを絵の具と半々混ぜた時より乾燥が遅くなるので把握しておきましょう。。

まとめ

油絵の具の乾く性質は空気との結合による酸化作用と大きく関わっていて、今回はそこが他の絵の具と大きく違う点だということをわかってもらえたらいいかと思います。

そして溶き油と絵の具の割合も徐々に理解していけば良いかと思います。。。

最後までありがとうございます。楽しい1日をお過ごしください。

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