どうも!Houichiです。普段は美術予備校で絵を教えつつ、絵を描いたり、美術や役立つ情報を発信しています。
今回は絵の飾り方と絵の価値について話していきます!
皆さんの中にはきっと
「絵を買って家に飾りたいんだけど、部屋のどこに飾ろうかな?」や「どうやって飾るのかな?壁に釘を打ち付けなきゃいけないの?」や他にも「そもそもなんで絵を飾るの?絵は美術館やギャラリーで見るものでしょ?」など色々な疑問を持っていると思います。
この記事がそうな問題解消の手助けの1つになれば嬉しいです。
尚絵の飾り方だけを知りたい人は・絵の種類と飾るときの見栄えからお読みくだい
、
目次
・なぜ絵を飾るのか
・一般的な日本と海外の絵に対する意識
・絵の種類と飾るときの見栄え
・絵の飾り方
・美しく絵を飾るには?
、
、
・なぜ絵を飾るのか
絵を飾ることで部屋をオシャレに見せたり、殺風景な部屋の壁に彩を与えてくれます。そして気に入った絵を部屋に飾ることで気分も良くなりますよね。でもそれって実は表面的な理由なんですね。。。絵に感動することが本質的です。それなら人は絵の何に感動するのでしょうか?
答えはエネルギー、執念、感覚を呼び起こすものなど言い方はいくつかありますが、同じものです。
絵は作者の心の映しです。またエネルギーが形を変えてできたものでもあります。しかし絵によっては作者が何を考え何を表そうとしているのかはっきり伝わらないこともありますよね。
人の数だけ解釈があるのは当然で、絵を飾りたい人と描く人の間に捉え方の違いがあるのも同じことです。
それでもその絵を飾りたいと思うのはなぜか、、、それはエネルギーや作者の執念みたいなもの、多くの人に共通する感覚みたいなものが感じられたときに感動を与えるからです。
絵の価値はただ上手いとかではなく、このエネルギー、執念、を感じさせるもの、感覚を刺激するものにあると考えています。そしてもう一つ、絵を描くまでのストーリーも重要です。作者がその絵を描くに至るまでのストーリーが絵の価値をさらに高めてくれます。これらの要素が揃った絵が飾りたくなる絵と言うことになります。
、
、
・一般的な日本と海外の絵に対する意識の違い
日本では絵に対して、特に絵画はどこか遠い存在で、美術館で見るものだと言う認識が多いのではないでしょうか?
一方欧米では上流階級だけで無く、中流階級の家庭でも絵を買って部屋に飾ると言うことが一般的です。理由は家にインテリアとして、または教養として飾る習慣ができているからです。
また欧米では義務教育から美術史についてしっかり勉強します。
日本での美術の授業は先生が教科書通りに教えつつ、お手本に合わせて絵を描いていくというスタイルが一般的だけれど欧米では教科書よりも実際に先生が学生を美術館に連れて行き、学生自身に作品について考えさせたり問いを投げかけます。
やはり欧米では美術においても知るだけではなく思考するということ、多様な価値観があるということを大事にしています。
欧米式の美術教育を受ければ、絵ついての思考が強くなるわけで、絵に対して価値を感じやすくなります。つまりなぜある絵がそのように描かれたのかについて考えるので、意味や価値が解らなければ疑問が解決しないんですよね。。
そのような土台があるから欧米の人は絵を買ったり飾ろうとする気持ちが自然に育まれてきているんです。
幸い日本でも徐々に絵に対する多様な見方や価値観を認め、絵を購入する人も増えてきているように思います。
、
、
・絵の種類と飾るときの見栄え
絵を飾るときに種類も知っておきたいですよね。代表的なものをいくつか紹介しつつ、それぞれの飾るときのポイントを考えて行きます。
・原画
*油絵
*日本画
*アクリル 画
*水彩画
原画はいわゆるアナログ絵であり、世界で一つしか存在しない正真正銘の一点ものです。
原画の中でも油絵と日本画やアクリル 画の技法で描かれた絵は重厚感が出しやすく、また顔料もたくさん使います。すなわち高級感を出しやすい画材です。存在感が強いので飾るときは壁の周りのスペースを広く取ることをお勧めします。
変わって水彩は紙に薄く塗りながら仕上げていくので完成作品もそれほどしつこくなく軽やかな印象を与えます。
なので油絵と違い大きめの作品を壁にかけても圧迫感を与えません。狭いスペースでも大きめの作品を飾っても良いと思います。
・版画
*銅版画
*木版画
*シルクスクリーン
*ジクレー版画印刷 https://artie.co.jp/artscan/
版画は板に傷つけ、その上にインクを塗り、刷って仕上げる絵のことです。版画の特徴は初めから刷る枚数が決められていて、エディションナンバーと呼ばれる番号が振られていることです。例えば60枚刷ったうちの30枚目の版画は「30/60」記されるはずです。また原画とは違い複数刷ることができるので比較的安価で購入できるのがメリットです。他にも版画にしかない深い味わいのある質感もお勧めです。
これも油絵は日本画よりも圧迫感を与えないので大きめの作品も飾りやすいと思います。
・鉛筆画
*鉛筆画
近年になって鉛筆を絵として販売する人が出てきました。元々は習作のための画材なんですが、写実ブームと一緒に鉛筆だけで完結させる作品が増えてきましたね。
これも版画と同じ見栄えの意識で飾れば良いです。
、
、
・絵を飾り方
まず絵を飾る前に絵を飾るための道具の準備と部屋の整理をしましょう!
・飾り方別の道具一覧
*壁掛けの場合
/かけまくり「荷重7㎏まで」/だるまピン/コマンドフック/ひっつき虫
これらの道具は壁を全く傷をつけないか画鋲程度の小さな穴しか開けないので、賃貸で絵を飾ったとしても国土交通省の基準によれば現状回復費用がかかることには該当しにくいとのことです。
ただし賃貸契約書の特約で禁止と記載されている場合は要注意です。
飾り方
・かけまくりフック https://www.amazon.co.jp
Amazonより引用
このフックは紹介した壁掛けの道具の中で一番重い重量に耐えられる道具で、1つにつき7kgまで耐えることができます。飾り方はまずフックを取り付けたい高さにフックの板の部分を壁にくっ付け、そこに付属のピンを押し付けます。
・だるまピン https://www.amazon.co.jp
Amazonより引用
このピンは1つにつき1kgまで耐えることができます。額なし木枠付きのキャンバス(10号ぐらいまでのサイズ)を飾ることができるので便利です。
このピンを壁に水平に左右2つ押しつけ、キャンバス裏の木枠のところに引っ掛ければ完成です。
・コマンドフック https://www.amazon.co.jp
Amazonより引用
このフックは裏が粘着テープが貼り付けてあるので壁を傷つけずに取り付けることができます。重さは1つにつき約500gまで耐えられます。
小作品を飾るときに便利です。
・ひっつき虫 https://www.amazon.co.jp
Amazonより引用
ひっつき虫は練り消しのようなもので形を自由に変える粘着質のゴムです。
厚紙の絵をそのまま壁に貼り付けるときに重宝しますね。
、
*吊す場合
ピクチャーレール/ワイヤー自在
飾り方
道具/*ピクャーレール https://www.amazon.co.jp
Amazonより引用
*ワイヤー自在 https://www.amazon.co.jp
Amazonより引用
この飾り方であれば10〜数十㎏までの重さに耐えられるので大型の額付きの油絵も飾ることが可能です。
飾りるにはまず条件として天井の端にピクチャーレールを取り付ける必要があります。
その上でワイヤー自在を買い、それをレールに取り付け、ワイヤーに付いてあるフックを絵または額の裏の紐を取り付けたい位置まで下ろします。そして絵の裏面の紐にワイヤーのフックを引っ掛け、絵の水平を確認すれば完成です。
10㎏以内の作品であれば1本のワイヤーで十分です。
*立てかける場合
イーゼル/棚や台の上などに直置き
飾り方
ミニイーゼル・ミニスタンド https://www.amazon.co.jp
Amazonより引用
まずは百均やホームセンターでミニスタンドを買いましょう。
それを棚や置けるスペースのある場所に立てかけ、その上に絵を飾りましょう!
壁にかけた小作品とはまた一味違ったものとしての存在感が際立ちますね。。
直置きの場合は何も道具が必要ないので費用がゼロですね。。
、
、
・美しく絵を飾るには?
美しく飾るには絵と飾る壁や周りの家具の相性やバランスが重要になってきます。
一般的には絵はソファや寝具、キャビネットなど壁に寄せる家具の上に飾ると美しく映えます。
飾る高さは目線の高さに作品の中心が来るように設定すると見易くなります。
それから絵と額の相性も大事になってきますね。古典的な様式の絵を飾るのであれば煌びやかな額を付けて飾った方が良いし、ポップで現代的なイメージの絵であればシンプルな額の方が絵を見易くしてくれます。
額の色も絵と同系か補色、無彩色が無難です。
最近では額を付けずに絵を飾るスタイルも増えてきていますね。
絵と額が決まったら壁に飾るのですが、その前に絵の画像がプリントされた用紙を作品の代わりに床や壁に並べてみてから最終的な位置を決める方が良いですね。
理由は持ち運びが楽な紙を使えば色んな並べ方のパターンを試すのに労力と時間がかからないからです。
、
、
まとめ
絵は存在感と華やかさを部屋に与えてくれます。この機会にお気に入りの絵を美しく飾ってみてはどうでしょうか。
それでは楽しい1日をお過ごしください。また次回の記事で会いましょう!