すぐ分かるイタリア・ルネサンスの有名絵画・ヴェネツィア派

どうも!Houichiです。絵を描いたり、ブログを書いたり、Youtubeで動画を配信したりしています。

油絵具で描く絵画作品
油絵の具で描く絵画作品

今回はイタリアルネサンスでイタリア本土とは少し異なる特徴的な発展をとげていったヴェネツィア派の画家の有名絵画を紹介していきます!

イタリアルネサンスの絵について軽く学びたい人や、今度ヴェネツィアに遊びに行きたいから事前に美術や絵について知っておきたいと思う人に役立ちます。

目次
・ヴェネチア派って?
・ジョヴァンニ・ベッリーニ
・ジョルジョーネ

ヴェネツィアはイタリア北東部に位置するヴェネト州の州都で、ヴェネツィア自体は100個もの小さな島々からなります。

また7世紀から18世紀にかけて千年以上に渡って栄たヴェネツィア共和国の一部でもあるんですね。。

当時東欧と西欧の中継地として栄えたヴェネツィアはビザンティン(東ローマ帝国)美術の影響を強く受けていたんですが、

イタリア本土と比べたとき、13世紀前後に出てきた中世とは異なるルネサンスの表現形式に乗り遅れるんですよね。

本土では遠近法や明暗ほうの革新が始まっているにも関わらずヴェネツィアの画家たちはまだ平面的な表現から抜け出せていなかったんです。。

でも、やはり時代の風は確実に広がっていて、15世紀半ばにパドヴァの画家であるマンテーニャがルネサンスの表現形式を伝えるんですよね。。

そして1475年にアントネッロ・ダ・メッシーニが油彩画(油絵)による細密描写を伝えたことで本格的にヴェネツィア派の魅力的な作品が出来上がっていくんですね。。

ではようやくルネサンスの流れに乗ったヴェネツィアの作家たちからどのような作品が生まれたのか見ていきましょう!

・ジョヴァンニ・ベッリーニ1430〜1516年

独自の寓話的宗教画を描き上げたジョヴァンニ・ベッリーニはまさに当時としては幻想的な絵のプロフェッショナルでした。

彼の代表作品である「聖なる寓意」(1501年頃)を見てきましょう。

この作品は聖堂のような公的空間では無く私的空間である書斎に飾る目的で製作されたんですね。いわゆるアートコレクターのための作品というものですね。。

この作品では宗教や神話を混ぜこぜにし、時間軸も混在させた題材で、異時同図法と呼ばれるスタイルで描かれているんです。

異時同図法を用いた有名絵画はこちら!
renaissance-heyday/

また神話の場面をそのまま再現したものでは無く、タイトル通り寓意的で間接的な表現を用いた作品なんですね。

要するに比喩みたいなものですね。。

具体的に見ていくと、

真ん中の木を抱える子供がおそらくキリストで、左の玉座に腰掛けているのがマリアだと言われます。これはやはりキリストの受難を表現しているんですが、

周りには木の実を拾ったり、手にとって眺めたりする子供たちもいますよね。。

実はこれはアダムとイヴのストーリを示しているとも考えられるんですよね。。つまり原罪ついて表しているんですね。

絵の中の木はおそらく「知識の木」で、この木の小枝が育ったものがキリストの磔刑の十字架に使われたと聖書では記されているんですよね。 違う時間軸が同じ空間で成立してしまっています。

ジョヴァンニが描いたこの場面は罪なきイエスが磔刑されたのは、アダムとイヴ以来、人が犯し続けてきた罪を神に対するつぐないを表しているんですね。。。

キリスト教会ではこのように解釈されているんです。

ここで中景右端を見てみると日陰にケンタウロスが隠れているのが見えますよね。

こういう違うストーリが同じ空間で成立し、また詩的な風景がさらに絵画の雰囲気を高めてくれます。

この風景の詩的でどこか懐かしい表現の仕方は当時ヴェネツィア独自の表現だったんですよね。

・ジョルジョーネ1477〜1510年

ジョルジョーネはジョヴァンニ・ベッリーニの弟子で、彼は師匠よりも自然の細密な描写という点ではかなり優れた腕前を持っていたんですね。。。

彼の代表作の「嵐」(1506年頃)を例にその木々の描き込みを見てみましょう。

木の幹や葉っぱ鋭い観察に基づいて細密に描かれているのがわかりますよね。雷の音や川のせせらぎまでも聞こえてきそうですよね。

彼のここまでの自然観察に基づいた描写能力はきっとレオナルド・ダ・ヴィンチの影響が強いはずです。

というのもダヴィンチがミラノを離れてヴェネツィアに訪れたのは1500年のことで、若いジョルジョーネが画家としてのスタートを切ったのも正にこの時期に重なるからです。

テーマの不明確性

この「嵐」という絵は明確なテーマが何なのか今でも明確な答えがでていなんです。。

またX線撮影によりこの作品の左側男性の部分は上塗りきされていて、下の層に裸体の女性が描かれているのが分かったんですね。

このことからもテーマが変わった可能性が高いということがわかります。。

しかし憶測は飛び交い、ギリシア神話だという研究者もいれば、聖書に関するテーマだという人もいます。

しかし最近ではこれは「戦争と愛」をテーマに描かれているのではないかというところにとどまっていますね。

男性が戦争の神マルス、女性が愛の象徴であるヴィーナスと考えられています。

・ティツィアーノ(1488|1490~1576年)

ティツィアーノはルネサンス時代のヴェネツィア油彩画を新たな方向に導いた画家です。

彼はジョヴァンニ・ヴェッリーニの元で学んだ後1510年頃独立し、作家活動を始めました。

、初期の作品はジョヴァンニの詩的な背景のスタイルを受け継ぎますが、次第に個性が開花していきます。。

では劇的にヴェネツィアの油彩の画風を変えていったと言える「聖母被昇天」(1516~1518年)を見ていきましょう!

この作品は聖母が12~24年シオンで暮らした後にいよいよイエスのもとに向かいたいと思い、やがてそれが叶い、正に天使に天国へ導かれている様子を描いています。

この特筆すべきところは大胆に赤を衣服に広く使い、そしてダイナミックな登場人物の動きが連なっている所です。

また背景を省略することで最も重要である手前の聖母が上昇する様子を見る人に強く伝えることに成功しいるんですね。。

また聖母と使徒たちが腕を上げている様子も上昇感を強めています。

そしてティツィアーノ 絵画の中でも特に有名ななのが「ウルビーノのヴィーナス」(1538年頃)です。

この作品は画面構成の革新性というよりも描写の完成度が恐ろしく高い所が魅力的です。構成に関しては古代ローマ彫刻のスタイルを模倣して自分なりにアレンジした作品と言えますね。

まとめ

ということで今回はイタリア・ルネサンス のヴェネツィア派の画家たちの有名絵画の紹介でした。

イタリア本土の作品よりも登場人物と背景の絡みが詩的で面白い作品が印象的でしたね。

妄想力に長けていたのでしょうか。。。

最後までお読みいただきありがとうございました!ではまた次回の記事でお会いしましよう。楽しい1日をお過ごしください。

メールアドレス登録  *
おすすめの記事