どうも!Houichiです。絵を描いたり、絵を教えたりしています。
今回はキュビズムはどんな主義なのか、どんな画家がキュビズの画家と呼ばれているのかについて話していきたいと思います。
目次
・キュビズムとは
・特徴と影響
・どんなキュビズムの画家がいるの?
・キュビズムとは
キュビズムは20世紀の初めに起こった前衛美術運動あるいはその画家の一派をいます。描く対象である物体(モチーフ)を幾何学的形体に還元して、それを立体的に組み合わせることによって新しい造形美術を作り出そうと試みです。
代表的な作家には
パブロ・ピカソ
ジョルジョ・ブラック
が挙げられます。他にもアンドレ・ロートなど様々な画家がいます。
キュビズムが起こったきっかけとしては、
ピカソが1907年の秋に描いた「アヴィニョンの娘たち」です。この絵をピカソはほんの一部の親しい友人にだけ見せたのですが、反応は皮肉にも良いものではありませんでした。
「アヴィニョンの娘たち」
画家のアンリ・マティスは怒り、ブラックは「3度の食事が麻クズとパラフィン製になると言われた様なものだ」といったそうです。
画家のアンドレ・ドランはそのうちピカソが首を吊るのではないかと心配しました。。
その中でもジョルジョ・ブラックはピカソが始めた制作の試みが重要だと初めに気づき、ピカソの後を密やかに追います。。。
実はピカソはセザンヌの作品に感銘を受けていて、見えた世界を絵画の中で再構築することに新たな可能性を見出していたんですね。
キュビズムはこのセザンヌの「自然を円錐、球、円筒によって扱う」という理論を発展させてできた絵画理論だったんです。
ブラックもそれに従ってポール・セザンヌにゆかりのあるセスタック地方に旅行し、「エスタックの家」の様なセザンヌ的キュビズムの風景画を描き、この作品を1908年の秋にダニエル-ヘンリー・カーンワイラーの画廊で公開したと言います。
これを見た批評家のルイ・ヴォークセルが19世紀から20世紀に刊行された『ジル・ブラス』紙上で、「ブラックは一切を立方体(キューブ)に還元する」と書きました。これがキュビスムの名の起こりと言われています。
とはいえキューブという言葉は、サロン・ドートンヌの審査の席でマティスが先に使ったそうですね。
・特徴と影響
もう一度特徴と影響をまとめると、、、
1 ルネサンスでは「単一焦点による遠近法」つまり片方の目で見た様にで描かれていたのに対して、キュビズムでは複数の視点に基づいて対象の把握し画面上の再構成しようと試みた。
2 形態の極端な解体・単純化・抽象化、つまり幾何形態による立体の様な形が描かれた絵画が挙げられます。
初期はセザンヌの絵画に近いセザンヌ的キュビズム
セザンヌの作品についての記事はこちら➡️paul-cezanne/
やがてキュビズムの理論が完成へと向かい
分析的キュビズムによるよりモチーフの形が幾何学に変化していく形式へと変化していきます。
キュビズムは美術の分野に大きな影響を与え、それは絵画だけではなく、彫刻やデザイン、建築、写真にまでおよぶんですね。特に絵画では未来は、ロシア構成主義、抽象絵画への影響はとても大きいと言えます。
これは後にパピエ・コレ、つまりコラージュ、(紙などに紙や木片、樹脂など様々な材料をのり付けした平面作品)アッサンブラージュへ(コラージュの立体版と考えていいでしょう。つまり立体の寄せ集めです。)とつながっていきます。
このコラージュ的表現による絵のことを総合的キュビズムと呼ぶこともあります。
またキュビズム特徴として、その斬新さと分かり難さ、奇抜さで好奇心のあるアーティストには受けが良かったのですが、やはり初めは大衆に受け入れられ難い面はありました。
またキュビズムを長く続けた画家もいれば、他の試みに移った画家もいて、実に様々でした。
特にキュビスムの経験はピカソ自身にとっても大きく、「キュビスム」の試みを終えたあともしばしばピカソの作品の中にはキュビスム的なイメージが現れています。
一生を通して、ピカソもブラックも、キュビスムから抽象的なイメージ表現には向かわず、具象絵画に止まったのでした。
・どんなキュビズムの画家がいるの?
では冒頭で紹介した画家の作品見てみましょう。
パブロ・ピカソ
1881年に生まれ1973年まで生きます。
「初聖体拝受」14歳ごろの作品です。すでに基本をマスターしていますね。。。
青の時代の絵画
ばら色の時代の絵画
キュビズム初期の絵画
分析的キュビズムの絵画
新古典主義の時代の絵画
シュールレアリズムに影響を受けた絵画
晩年の版画作品
ジョルジョ・ブラック(1882年〜1963年)
ブラックは初期にキュビズムの影響を受け、1914年以降は独自の静物画を制作しました。
初期の絵画
キュビズム時代の絵画
この時期はピカソと同じ考えの元描いていたので、とても作品が似ています。
後期の絵画
アンドレ・ロート(1885年〜1962年)
初期の絵画
ロートの作品は当時、他のキュビズムの画家の作品より日本人に好まれた様です。。
まとめ
キュビズムは網膜に移った映像を頭の中で思い描く様に再構成するという当時の固定概念を根底から覆すきっかけを与えた衝撃的な絵画で、感情的に受け入れるのは難しいと思う人もいるかもしれないですよね。
でも美術は美しいものだけではなく、新しいことに挑戦してきた歴史でもあるので、理解が深まれば納得できる部分ではあります。
特にキュビズムの創始者のピカソはやはり作品の多様性には驚きますよね。。
最後までありがとうございます。楽しい1日をお過ごしください。ではまた。