どうも!Houichiです。絵を描いたり、絵を教えています。
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バロック絵画はいわゆるバロック様式の絵画のことをいいます。有名な画家で言えばレンブラントなどがいますよね。
他にも聞いたことがある有名な画家の名前が勢ぞろいする、華やかな芸術が栄た時代とも言えます。
さて本文タイトルでバロック絵画はポップカルチャーなどと僕は言っていますが、どのような理由でこのような言葉を使おうと思ったのか時代の流れと作品で考えていきましょう。。。
絵画作品を先に見たい人は下まで走ってください。。
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西洋古典絵画に倣って描いたりんごの油彩動画はこちら⬇️
目次
・バロック絵画が生まれたきっかけはやっぱり宗教
・バロック絵画の特徴
・バロック絵画は下品?
・バロック絵画をポップカルチャーと唱えた人の功績とは?
・バロックの有名絵画勢ぞろい
・バロック絵画が生まれたのはやっぱ宗教
バロック絵画は16世紀〜17世紀半ばまでの西洋で描かれた絵画のことで、これは西洋芸術運動の1つであるバロック様式に含まれるんですね。バロック絵画もやっぱり宗教の変化の影響を受けて生まれました。というのも絶対王政やカトリック改革、カトリック復興などが、この時代に起こったんですね。
そんなものだから、教会側も教会内にある作品のスタイルチェンジ(様式の変化)を促すわけですね。。
教会側の意向としては明確で力強く、敬虔さが作品からにじみ出て欲しかったみたいです。。
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ではこれを踏まえてバロック絵画の特徴を見ていきましょう。。。
・バロック絵画の特徴
一般的なバロック絵画の特徴としてはザッと、、
劇的な描写、豊かで深い色彩、強い明暗法
大袈裟で演劇の一場面を切り取ったような絵、動的で躍動感のある作品
などと言われます。
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バロック絵画のジャンルとしては ギリシャ神話、聖人、王族の生活や肖像を描いた絵が多いですね。
ただ亜派 北方写実主義は 王道の主題である人物とは違い、日常生活を描いた風俗画や風景画、静物画を好んで描いていました。
またルネサンスでは神聖で品のある落ち着いた柔らかさを求めていたのに対し、バロックは一瞬の感情や情熱を美として表現したんですね。
さて、バロック様式以前はマニエリスムの時代がありました。これはミケランジェロの晩年の人体造形の影響をうけたアーティスト達が作った作品に見られる特徴のことを言います。ねじれた身体や誇張された筋肉、ねじれを生かした画面構成などですね。
バロック絵画はこのミケランジェロの後期作品とマニエリスムの影響をさらに変化させたものと言えます。特にバロック絵画は明暗を大胆に強調させたことが革新的でした。
ではこの明暗の強調を初めて取り入れたバロックの申し子とも言える画家は誰かといえば、もちろんカラヴァッジョです。
彼の明暗の強調した技法を美術用語で「キアロスクーロ」と言います。
具体的には明暗の白黒の対比を劇的にし、まるでチェック柄のような平面にも見えそうなぐらいに強調をした絵のことですね。劇画を思い起こすとわかるかと思います。。
ところがどっこい、カラヴァッジョの絵やバロック絵画は品がないと見なされ、当初は受け入れられにくかったんですね。。。その理由とは?
・バロック絵画は下品?
バロックという言葉は初め、侮蔑の意味合いで使われていました。
理由は誇張表現があまりにいきすぎていて品位が欠けているいびつな物だと考えられていたからです。この否定的な捉え方は特にカラヴァッジョの作品に当てはまります。彼の作品は構成はとても完成度があって、センスが研ぎ澄まされているんですが、どこか殺伐とした不穏な印象も同時に感じますよね。
それが原因で否定的な意見が後を絶ちませんでした。それでもカラヴァッジョを評価して、依頼する人は多くいたので、彼が生活に困ることはありませんでした。。
またはアリストテレスの三段論法についての著作の歴史的用語の「バロク(Baroco)」を語源とする考え方もあるみたいですね。
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確かに、ルネサンス絵画の理性的で冷静な印象の方に崇高さが感じられ、バロック絵画の明暗の激しさは力強さや事件現場を思わすような衝撃があり、両者は対比的に使われたりします。。
しかし、崇高さにだって色んな捉え方がたくさんありますよね。。。
ここでスイス人美術史家ハインリヒ・ヴェルフリン(1864年 〜1945年)が登場します。彼の功績を少し見ていきましょう。
・バロック絵画をポップカルチャーと唱えた人の功績とは?
ヴェルフリンは著書『ルネサンスとバロック』(1888年)で、バロックは「(美術を)大衆へともたらした芸術運動」であり、それまでのルネサンス美術とは対極にあるものと位置づけました。これによりバロック絵画はその様式の革新を評価されるようになり本格的に美術の仲間入りをはたすんですね。
つまりヴェルフリンはバロックを否定的なイメージから良いイメージに変え、美術史を塗り替えたわけです。。。
ここでバロックがポップカルチャーと言える所以がわかってきましたねー。大衆芸術がいわゆる現代でいうポップカルチャーですが、それが16世紀にも似たような現象があったんです。
とは言え、大衆と言っても宗教の布教活動以外で絵を注文した人たちのことで、王族や富裕層という限られた大衆を指しました。
でも宗教意外の絵が世間に受け入れられていない時代を想像すれば、バロックはすごい変化だったと言えるでしょうね。
・バロック有名絵画勢ぞろい
最後にバロック時代の有名な絵画を見ていきましょう。
イタリア
・ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571〜1610年)
「キリストの捕縛」(1602年頃)
「ゴリアテの首を持つダビデ」(1609年 - 1610年)
・サルヴァトル・ローザ(1615〜1673年)
「アストライアーの出現」(17世紀頃)
「アポロと尾根のシビル」(17世紀頃)
・アルテミジア・ジェンティレスキ(1593〜1632年)
「ホロフェルネスの首を斬るユーディッド」(1614〜1620年)当時グロが流行っていたみたいです。。
「法悦のマグダラのマリア」(1620年代前半)
オランダ
・レンブラント・ハルメンスソーン・ファンレイン(1606年〜1669年)
「ベルシャザールの饗宴」(1630年)
「51歳の自画像」
・ヨハネス・フェルメール(1632〜1675年)
「真珠の耳飾りの少女」(1600年代中頃)
「牛乳を注ぐ女」(1657 〜1658年)
・フランス・ハルス(1580〜1666年)
「ジプシーの女」 (1628〜30年)
「デカルトの肖像」(1649年)
ベルギー(フランドル地方)
・ピーテル・パウル・ルーベンス(1577〜1640年)
「クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像」( 1615〜16年)
「アダムとイブ」(1628〜1629年)
・アンソニ・ヴァン・ダイク(1599〜1641年)
「自画像」(1613年 〜 1614年)
「マリー=ルイーズ・デ・タシスの肖像」(1630年)
・ヤン・ブリューゲル(父)(1568〜1625年)
「花」(1606~1607年)
「ガラスの花瓶に入った花束」(1637〜1640年頃)
スペイン
・ホセ・デ・リベーラ(1591〜1652年)
「えび足の少年」 (1642年)
「聖セバスティアン」(1651年)
・ディエゴ・ベラスケス(1599〜1660年)
「教皇インノケンティウス10世」(1650年)
「ラス・メニーナス(女官たち)」(1656年)
フランス
・ジョルジュ・ド・ラ・トゥール(1593〜1652年)
「悔い改めるマグダラのマリア」(1628〜1645年)
「悔い改めるマグダラのマリア」(1625〜1650年)
・ニコラ・プッサン(1594年〜1665年)
「アルカディアの牧人たち」(1638〜1640年頃)
「人生の踊り」(1640年)
まとめ
バロック絵画と言ってもその流行の影響を多大に受けた画家とそれほどでもない画家など作家によって様々だと言えます。
今回も最後までありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう。楽しい1日をお過ごしください。