アクションペインティングって何?絵描きの目線でわかり易く解説します。

どうも!Houichiです。絵を描いたり、絵を教えたりしています。

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油絵具で描く絵画作品
油絵の具で描く絵画作品

【アクションペインティング】のアクションは行為を意味しますが、そもそも絵画って「行為」の上に成り立っているのに、なぜアクションという言葉がいるんだろう?というのが僕が昔持っていた疑問でした。

僕がこの言葉と出会ったのはまだ中学校3年生の時でした。当時は自分から調べるほどの興味がないぐらいの疑問だったのですが、今となっては時代を変えた革新的な概念として理解しいて、この概念の誕生当時を想像する度に衝撃が走ります。。(多分)

では時代背景と一緒に見ていきましょう。。

りんごの描き方をわかりやすく解説した動画はこちら⬇️

目次
・アクションペインティングとは?
・当時の社会情勢(主に欧米)と美術傾向
・次の時代の幕開けを示唆するアクションペインティング

・アクションペインティングとは?

アクションペインティングは先ほど話した通り、身振り手振りをあれこれ工夫し、描いた絵画のことを言います。これは絵を描く行動に重きを置いた結果と言えます。いわゆる具体的な対象を描いたものでは無く、絵の具を跡や滴り、滲みをそのまま無作為かつ直感的に画面に残している絵画ですね。

代表的な画家にはジャクソン・ポロックやウィレム・デクーニング、フランツ・クラインなどがいます。。

・ジャクソン・ポロック 1912年〜1956年 アメリカ

「Number32」1950年作

「検索」1955年作

・ウィレム・デ・クーニング 1904年〜1997年 アメリカ

「女Ⅲ」1951〜1953年作

「川の扉へ」1960年作

・フランツ・クライン 1910〜1962年 アメリカ

アクションペインティングは第二次世界大戦後から1940年代後半にかけて欧米で広まりました。また抽象表現主義と関連付けて語られたり、同一視されることがあります。

この用語は1952年にアメリカの美術評論家であるハロルド・ローゼンバーグが初めて唱え、この考え方はニューヨーク派の画家や評論家の美学的な観点に大きな変化を与えました。。アクションペインティングや抽象表現主義の画家たちは「キャンバス は闘技場である」というわかりやすい例えを用いて、この意見対して評論家のクレメント・グリーンバーグも大いに評価しましたね。

特にグリーンバーグはアクションペインティングの画面の物質性を強調し、また身体性も同じくらいに評価しました。

そして提唱から20年ほど経った後にローゼンバーグはアクションペイティングは「物質ではなく行為としての芸術」「結果ではなく、過程としての芸術」と再定義しました。

ここまで読んでくれたのなら、絵画の行為の価値が古典絵画と戦後では全く違うことがわかるかと思います。

かつては物語を伝えるため、生活の豊かさを表すために描かれた絵画だったのに対し、第二次大戦後はアメリカを起点に絵画は「行為」自体に「価値」を置くことも良しとするようになったんですね。。

僕の疑問である「行為」の上に成り立つ絵画にわざわざ「アクション」という言葉をつけるのか、、、理由が明らかになりましたね。。。

・当時の社会情勢(主に欧米)と美術の傾向

なぜこのような絵画の価値観の変化が起こったのかというと、これにはモダニズムという思想が欧米に生まれたからなんですね。ざっくり言えば個人の普遍的な感覚や絵画の性質そのものに目を向けるようになっていったんです。

かつては神話やキリスト教が世界を説明するものとして力を持っていた時代がありました。

しかし科学が世界を説明する方法として活用されるようになり、絵画で普遍的なストーリーを説明的に描く必要がなくなっていったんですね。そんな中でアーティストや画家たちは絵画の新たな可能性を見つけに行かざるを得ない状況になったんです。その中で絵描きは絵画を平面的に描いたり、様々な絵の具の表情を絵の具で遊んだりして、絵画の可能性を模索していくようになりました。つまり絵画独自の崇高さを求た(ハイアート)んですね。

これは美術だけでなく、哲学や音楽など様々な分野で同時に起こりしました。

・次の時代の幕開けを示唆するアクションペインティング

実はアクションペイティングはそのあとの絵画だけではなく美術全般に多大な影響を及ぼしています。なぜなら「行為」や「抽象」というある概念を取り出すという考えは様々な分野に応用ができるからなんですね。

例えばハプニングやフルクサス、パフォーマンスなどは身体や何か事件となる行為をしなければ作品として成り立たないし、ランドアートアースワーク)などは大地を掘ったり、物そのものを運んだりしないといけません。。インスタレーションは空間をデザインしながら立体作品を組み立てるのですが、これも行為の過程が作品に反映されています。

つまり現代アートに多大な影響を与えたんですね。

そう考えると衝撃が走るのもホントだったりします(笑)

まとめ

ということで今回はアクションペイティングについて話してみました。

きっと美術を学び始めた時って具象絵画が好きな人が割と多いと思いますが、時代背景や文脈、画家の置かれた状況を考えてあげると、絵の見え方が変わってきて楽しくなると思います。。

最後までお読みいただきありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう。楽しい1日をお過ごしください。

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