、どうも、Houichiです! 普段は美術予備校で絵を教えています。
今回は、、
「油絵の具のセット買ったけどイマイチ使い方分からないし、先生が教えてくれたことの中で分からない所があるな…」「まず独学で試してみたいから文章での解説か動画の解説が見たいな」という人向けの記事です。
目次
・絵の具の種類
・色々な絵の具の塗り方
・絵の具の混ぜ方
・絵の具の種類
絵の具の種類は大きく分けて2種あります。
1不透明色絵の具 下の層を覆いかぶせるときに使います。固有色の主張が強い絵の具です。
2透明色絵の具 下の層の色を透かし、深い色味を出すことができます。
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・色々な絵の具の塗り方
絵の具は実に様々な描き方や塗り方があるけれど、いわゆるリアルに描くにはまず見方を意識しないといけませんね。
大切なのはまずモチーフやイメージを色面の集まりとして見ることです。
こうすることで描きたいイメージを簡単に掴みやすくします。これが出来て初めてこれから紹介する塗り方が活きてきます。
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塗り方自体は初心者でも簡単に身につけることができるので是非描くときに使ってください!
1 ウェットインウェット 「ぼかし技法」
2 インパスト「盛り上げ」
3 カスレ塗り
4 グレーズ「透明塗り」
5 スカンブル「半透明塗り」
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1 ウェットインウェット「ぼかし技法」
この技法は柔らかい明暗や色味の変化を出すのにとても効果的ですね。とてもメジャーな技法で写実絵画を描く画家は多様していますね。
人の肌や空、雲、曲面の柔らかな変化を表現するのに役に立ちます。
塗り方解説
まず色味または明暗の違う絵の具を用意して画面に置きます。そして筆で混ぜます。
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これだけです、これだけなんです。簡単ですよね。。。
やはり滑らかな明暗のグラデーションを作るためには明暗が異なる色を3色〜5色事前に混ぜておいた方が簡単にぼかしができますね。
分かりやすい動画のデモンストレーションがこちら⬇️
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2 インパスト「盛り上げ」
インパストとは多量の絵の具を画面に盛り上げて、半立体の質感を出すのに使います。モチーフの物質的な存在感を出すのに役立ちます。。
この技法は16世紀の西洋のバロック絵画の時代に流行りました。
塗り方解説
まず筆やペインティングナイフに多量の絵の具を付けます。
それを画面に乗せます。
コツとしてモチーフの形に沿わせて筆跡や塗り後をつけることです。こうすることで、より立体感を出すことが出来ますね。
割と簡単です。
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分かりやすい動画のデモンストレーションはこちら⬇️
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3 カスレ塗り
絵の具のカスレを生かして、明暗や色味の変化を出す塗り方です。
乾いた質感、粉っぽい質感を出すことができます。
塗り方解説
筆を少し寝かせ気味にし、あまり押し付けずに滑らすように筆を画面上で動かします。
理想のカスレにするには少し慣れが必要ですが、効果自体はすぐ再現できますね。
分かりやすい動画のデモンストレーションはこちら⬇️
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4 グレーズ「透明塗り」
この技法は古典的な油絵の質感を出すのにとても大事な要素の一つです。
主に色味を増したいときや暗さを出したいときにこの塗り方をします。
またこの塗り方をすることで画面に水々しさと艶が出ます。
2層目以降にこの塗り方をするのが一般的です。
塗り方解説
この技法には全体での塗りと細部の塗りの2種類ありますね。
1 全体塗りの場合
まず絵皿を用意します。
・次に絵皿にペインテイングオイルとターペンタインを3:1で入れて混ぜます。
・そして適量の透明絵の具を混ぜ、塗りたい濃さにしていき刷毛か太めの筆を絵の具に付けます。
・絵の具の付いた筆で画面全体か広く塗りたい範囲を決め、一気に塗ります。さっと塗る感じで良いでしょう。
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2 細部塗りの場合
・絵の具とオイルの分量は全体塗りと同じです。
・細部塗りの場合、細い筆で優しく画面に置いて筆を引けば鮮度のある印象になります。
・また筆で軽く馴染ませれば柔らかい調子を作ることもできます。
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分かりやすい動画のデモンストレーションはこちら⬇️
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5 スカンブル「半透明塗り」
スカンブルは仕組みとしてはグレーズと同じですが、使う絵の具が不透明絵の具か半透明絵の具であることが特徴です。
不透明絵の具も薄く引き伸ばせば半透明になり、下の絵具を透かします。この効果により深みのある光学的なグレー色を作ることができます。
塗り方解説
・オイルをあまり使わず、絵の具を筆に小量つけて画面に擦り付けたり薄く引き伸ばすように画面に塗ります。
絵の具を叩いて伸ばしても効果的です。
こうすることで下の色を透かすことができます。
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分かりやすいデモンストレーション動画はこちら⬇️
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・絵の具の混ぜ方
絵の具は主に筆とペインティングナイフを使って混ぜます。
混ぜる時はしっかり一色に混ざり切るまで混ぜるのが基本です。ただ、あえて絵の具を混ぜ切らずに画面に乗せても面白い効果が期待できますね。。
動画での混ぜ方デモンストレーションはこちら⬇️
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ここで色同士を混ぜるときの法則を一つ紹介します。
ものすごく大切です!!↓
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彩度が高い色を作るには同系色を混ぜることが効果的ですが、、、実は黄色と青のような補色「反対色」同士でも色同士の相性で鮮やかさが変わったりします。
例えば以下のようなことがあるんですよね。。⬇️
例・・・青と黄色を混ぜる場合↓
・緑味の強い青色と緑味の強い黄色を混ぜれば比較的鮮やかな緑になります。
動画デモンストレーションはこちら⬇️
・紫みの強い青と緑みの強い黄色を混ぜると彩度が低く鈍い緑になります。
動画デモンストレーションはこちら⬇️
結局色味が補色「反対色」の場合でも、色味同士の中に同系色の顔料が含まれると鮮やかさが高いわけなんですよね。。。
これは黄と赤の場合や赤と青の場合にも当てはまるので、鮮やかさを自在に使いこなせるようになるには、この意識を感覚的に身につけることが大切なんですね。。
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まとめ
絵の具を混ぜたり塗ったりすることは基本の基本です。
しかし多くの初心者はこの基本を右往左往しながら、たくさんの経験積むことで今回紹介したような技術が身につきます。
塗り方や色の法則をある程度事前に知っておくとかなり成長に役立つので是非意識したり、実際に使ってみてくださいね!
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それでは次回の記事でお会いしましょう。良い1日をお過ごしください。