【油絵の具】油絵は描く手順やプロセスで仕上がりが全然変わる!

どうも!Houichiです。元予備校講師で、絵を描いたり、YouTubeで動画配信をしています。

美術や絵を愛する全ての人のために発信しています。

油絵具で描く絵画作品
油絵の具で描く絵画作品

「〇〇な雰囲気やイメージで描こうと思ったのに、なんか違うなぁ〜」と油絵を描いていく途中や完成後に感じたことはないですか?

僕は日々この現象と向き合ってきて17年目です。。。

なので今回は僕が今まで油絵(油彩画)を描いてきて失敗したことや上手くいったことを元に、手順やプロセスの違いが絵にどのような影響を与えるか皆さんと共有しようと思い、参考になれば嬉しいです。

目次
・下地の色によって仕上がりの印象が変わる
・筆の種類と使い方で絵の印象が変わる
・オイルの使い方で絵の印象が変わる

 

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わかりやすい油絵の制作プロセス

・下地の色によって仕上がりの印象が変わる

油絵を描く時、下地の色ってかなり大事です。

理由としては完成した絵は必ず下地の色の影響を受けるからです。

例えば茶色い下地を塗ったなら、完成した作品もやっぱり茶色っぽい印象が残るんですよね。画面を厚さ2ミリ以上の絵の具で完全に覆ってしまえばそんなに影響はないと思うけれど、そういう描き方をしない限りは下の茶色が上層の色味を変えてしまいます。。

古典的な油絵ではモチーフの影は下地の色味を活かして描かれる伝統があって、それが今も油絵の基本を理解する上で大切なことなんですね。

僕は昔に下地の色みと濃さを変えて2点作品を描き比べたことがあって、そのときは上から下地を隠すぐらいに絵の具を乗せました。

完成後、片方ずつ見てもそれほど違いがわからないんですが、、見比べたらやっぱり色味と明度の違いが多少あって、下地の色を意識せずになんとなく描くのが意図的でない限り、思い描く完成図から遠のいていくなぁと気付かされましたね。。。

極端な話、これを意識しないと言うのは薄塗りでものすごく明るい色にしたいのに、下地に真っ暗な色を置くことについて何も気にしない事と同じなんですね。。

なので下地の色を決めるときは完成後のイメージを想像してみたり、実験して描いた方が思い通りに仕上がる可能性は高くなりますね。

・筆の種類と使い方で絵の印象が変わる

同じモチーフを描く場合でも使う筆や使い方で絵の印象が変わるんです。

豚毛を使うとなんか筆跡が目立ってうまく抑えることが出来ない。このようなことで悩んだことがある人もいるかもしれません。

一方ナイロン毛だけで描いた場合は筆跡が落ち着いてくれるからいいんだけれど、描き始めの時はキャンバスの押し返しに負けて作業が遅いと感じる人もいると思います。

ではこうした不満を解消するにはどうしたら良いのか、18歳の時に僕は考えました。

そこで「始めに豚毛を使って描いて上からナイロン毛で描けばスムーズに進むんじゃない?」と思ったんです。

そしたらうまくいったんですね。。

具体的に言うと豚毛で勢いよく絵の具を乗せて、筆跡を抑えたいところはナイロンげでなめすと言う方法です。

この方法は当時の僕にはしっくり来ました。。2層目からはナイロン毛でも描きやすくなるので、一層目に豚毛を使い、それからナイロンでなめすというプロセスを挟めばテンポ良く絵が描けます。。

リアリスティックな絵を描く人は結構この方法を使うと思います。

もう一つは筆の幅を意識することです。ベストなものを選ぶとイメージ通りに絵が描けるようになるんですね。

同じ面積を塗る場合、太い筆と細い筆では絵の具を含む量も変わってくるし、同じ太さの線を引く場合でも太い筆で引いた場合と細い筆で引いた場合では印象や勢いが変わってきます

例えば髪の毛を描く場合は面相筆で細い線を引く場合とは本当に細密に描くことができるし、柔らかい線に見えます。

一方、豚毛みたいに太い筆の先を使って素早く引いた細い線はまた違った勢いと繊細さがあり、細い筆では表現できない線が引けるんですね。言葉ではうまく説明できないですが、実際に引いてみればその違いがわかります。

皆さんも一度参考にしてみてくだい。

・オイル(溶き油)の使い方で絵の印象が変わる

油絵を描く時に使うオイルは水彩で言うところの水と大体同じで、絵の具の柔らかさやツヤを調整するのに使います。

何も考えずにボテボテと絵の具を重ねて柔らかさや固さなど適当に決めて描くことも正直に言えばありです。。

油絵は絵の具の厚みの差を極端につけることができるため、厚く塗ったり、オイルを多めにして潤いのある感じにしてみたりと、かなり直感的に描くことができる画材なんですね。。

「そんなの言われなくてもなんとなくわかるよー」

と思う人もいると思います。

なので直感で自由に描きたい人はこの先は読まなくても大丈夫かと思います、、、

ところがある程度薄塗りでリアリスティックに描きたいなら話は別です。

この描き方は1層ではなく何層も重ねて描くので、各層ごとにオイルの量を意識しないとうまくいかないことがあるんですね。

一般的には古典的リアリスティックな油絵は下の層ほどオイルが少なく、上の層ほどオイルの量を増やしていって描き進めます。

こうすることで強度のある画面になり長く絵を保存することができるからです。

油絵の具の性質としてオイルを増やせば増やすほど絵の具とオイルの吸収率が下がるんですね。

簡単に言うとギトギトの上にギトギトの絵具は乗りにくいわけです。。。

そうするとその上からはオイルの少ない絵の具を乗せるしか無くなるのですが、これが困ったものでオイルが少ないと今度は絵の具の強度が下がって脆くなるんですね。

僕は学部の卒業制作の時に絵の具の層をいつもより増やしてしまったために、後半オイルの量が多くなりすぎてなかなか上から描き進められなかったことがあります。

「これはやばい!」と思い先生たちに色々相談すると、

「一度オイルの量を減らしてオイルの量を上げていけば、また描き進められるよ。」と言う助言をいただいて、なんとか作品を完成まで持っていくことができました。。汗

だからやっぱり下の層はオイル(ここで言うオイルは乾性油で揮発しないタイプのオイルのこと。)の量を少なめにして上の絵の具とオイルの吸収率を上げておく。

そして上の層行くにしたがって徐々にオイルを増やしていくことで絵の具が画面上で弾かず、描き進めやすくなり、しかも絵の具の強度が一番強くなるんですね。。

まとめ

今回は油絵を描くときの手順の大切と表現方法を少し知ってもらえたかと思います。油絵の具自体は基本知識を押さえれば、いくらでも応用が可能なので、色々試してみると面白い発見があると思います!

最後までありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう。

楽しい1日をお過ごしください。

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