
どうも!Houichiです~。普段は美術予備校で絵を教えつつ、絵を描いています。
美術や絵を愛する全ての人のために発信します。

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油絵といえば描きにくい豚毛を使って描きにくい凸凹したキャンバスの上で描く画のことだと、、初心者の方はもしかしたら思うかもしれないですね 笑(^_^;)
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でもリアルな絵を描くには油絵を学ぶことが最適なんですよね。
ということで今回は油絵の凄さと描き方の基本を解説していきますー。
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目次
・油絵は他の画材よりも手で触れるような存在感を出すことができる
・油絵は神様を描くために生み出された
・油絵の基本は、絵の具を重ねるか、馴染ませるか、取り除くか、のバランス感覚である
・まとめ
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・油絵は他の画材よりも手で触れるような存在感を出すことができる
、レンブラント・ファンレイン 「ユダヤの花嫁」↑
油絵と言えば物質感が魅力的ですね。。ゴツゴツやツルツル、ぴかぴかなどなど。。。
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これは手で触ることができるような質感のことをいいます。この性質が他の画材よりも強いんですよ。
油絵は15世紀はじめに西洋で発明され、見た世界を3次元に存在しているように描くための理論による組み立てがしっかりしている科学的な画材なんですよ。。
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昔は工房で師匠が弟子に描き方を教えるというシステムがあったんですが、
この描き方がアカデミーなどの大学みたいなところで教えられるようになるまで約4世紀かかってるんですね。。。で、、、
なんで油絵の具が他の画材よりもリアルに描けるのかというと、、、、、油の質感と顔料(色の粉)の厚みのおかげで触覚的効果を与えるからなんですよね。。。油絵の質感はやっぱり生きている物の自然な質感を描くのにとても合っているんです。
https://houichiart.com/2019/10/17/aburae/ (油絵講師がおすすめの油絵の質感表現!)
写実画家の多くは油絵を描いていますね。
とは言え、他の画材のなかでアクリル絵の具などは工夫次第で油絵のように描くことができるんです、、、、、、が
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アクリル絵の具は合成樹脂で人工的に作られたもので、やはり質感が自然にあるツヤではなく、プラスチックのようなゴムの質感が多少するんですよね。(この質感の違いは写真ではなく、実際に使ってみないとわからないと思います。)
この人工的な質感が合わない人は油絵の具をおすすめします。
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・油絵は神様を描くために生み出された
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油絵は西洋でキリストや天使など、神様を描くために発明されました。美術史の中でよく描かれていますよね。。。当時はキリスト教を布教するために絵は使われました。強烈な宣伝手段だったので必要不可欠だったんですね。
それ故に絵の材料は大事にされ、試行錯誤と綿密な設計がなされていたんです。
有名な宗教画といえばダヴィンチの最後の晩餐がありますよね。ちなみにこれはテンペラという画材による技法で描かれています。
レオナルド・ダ・ヴィンチ作「最後の晩餐」
中世からルネサンスにかけて培われた恩恵を今の僕たちは受けているんですよね。。また長く保存が効くのも特徴です。ダヴィンチの油絵作品なんて500年前のですからね。。
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・油絵の基本は、色を重ねるか、馴染ませるか、取り除くか、のバランス感覚である
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突き詰めれば油絵って色の粉と油を混ぜたものを画面に1 乗せるか、2 馴染ませるか、3 取り除くかしかないんですよね。(これはほぼ全てのアナログ画材に当てはまるんですけど」。。。
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1 基本的には絵の具を乗せる方法は画面を分割しながら埋めるとき、量感、厚みを出したいときに使います。この法はイメージのどこを塗っているかを整理するのに役立つので覚えておきましょう
2 次に絵の具を馴染ませる方法は柔らかさや丸み、画面全体の雰囲気を出すのに効果的です。
3 絵の具を取り除く方法は、絵の具を削ったり拭いたりして色を染み込ませた印象、奥まった印象を出したいときに使います。
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いろんな先生や本が教える描き方やノウハウがあって複雑に思えてしまう油絵も、根本を整理すればシンプルなんですよね。。
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まあ、シンプルだからいろんな描き方の応用ができるともいえるんですけどね。。描く人が使う絵の具の分量や筆圧しだいで、無限に画面の表情をつくることができます。
例えば、不透明絵の具を一回きりで描き終える、アッラ・プリマ画法、
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モノクロの明暗の上に色彩を施すグリザイユ画法、
ここから色味を付けていく
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あとは水彩と油彩を両方扱う混合技法、スクラッチや、近代になって使われるようになったナイフによる画法など油絵の描き方は実に多種多様あります。
画法についての記事はこれから執筆予定なので、しばしお待ちを。。。
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・まとめ
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初心者の方はもしかしたら油絵も水彩画のような方法で描くものだと勘違いされることも多かったのではないでしょうか。。
僕がこの記事で紹介した基本を知っていればそのようなことにならず、油絵を使って自由に描くきっかけが掴めると思います。
油絵を描く時はぜひ思い出して見てください!
