写真模写を絵やデッサンの上達に役立たせる3つの活用法を紹介します!

どうも!Houichiです。絵を描いたり絵を教えています。

美術や絵を愛する全ての人のために発信します。

油絵具で描く絵画作品
油絵の具で描く絵画作品

今回は写真模写って絵やデッサンの上達に役立つの?という疑問に答えていこうと思います。。

結論としては役立ちますね。。ただし部分的にですが。。。

写真模写は絵やデッサンの上達には欠かせない技術や能力を鍛えるのに最適な方法の1つなんですね。今回は写真模写のメリットとデメリットを幾つか取り上げて行こうと思います。

写真模写を最大限に活かした描き方解説はこちら!⬇️

目次
・写真模写のメリット
・写真模写のデメリット
・まとめ

・写真模写のメリット

写真模写のメリットを幾つかあげますね。。

1 光と影の対比の強さを把握しやすい
2 平面を平面で処理するから比較的簡単にリアルに見えるように描ける
3 長時間同じ条件で描ける

1 写真で見たイメージと目で実物や実際の風景を見たときの見え方の差に気づかない人もいるのですが、大きな違いなんですよね。

「目で見たものも写真で見たものも明暗の変化や対比なんて大して変わらないんじゃないの?」というような意見が聞こえてきそうですが、、、基本的なデッサン力のある人や写実的な手法で絵を描く人にとっては大きな違いなんですよね、、、

目はごく狭い範囲しか見えたものを高画質に認識できない上に見えているものの全体の明暗バランスなんて1分と集中して見ることができないんですよね。だから全体と部分の明暗の意識の切り替えをしなければ、全体の明暗を正確に捉えつつ細部を描き込んだ絵は描けないんですよ。この意識の切り替えをするのに初心者はかなりの集中力を要するんですよね。。(もうすでになんのこっちゃ。。。) 

とにかく、実際の風景を見て明暗を描くことは実は難しいんですね。

それとは別に写真は色で明暗を表しているので光よりも明暗の幅が短いんですよね。

だから実際の風景よりも簡単に最も暗い色から最も明るい色の変化を見分けることができるんです。。

わかりやすい例で言えば日差しの良いときに外で取った写真は日陰の一番暗いところと日向の一番明るいところは色が飛んで見えますよね。 

理由は、全体を見ようとするとカメラは明暗の情報を処理出来ないんでね。

この処理できない明暗を描かないことこそが全体の明暗の変化を表現することの最重要ポイントです。  

カメラは処理できないことを正直に示してくれるから全体のバランスが崩れないのですが、、、

人間の脳は都合良く出来ていて、目に全体の明暗を同時に理解できていると錯覚させるんですよね(苦笑)だから部分で見た情報をつなげて全体の明暗を把握した気になってしまうんです。。

この見方で絵やデッサンを描くと各部分で処理した明暗が他の部分と似てしまって奥行きやメリハリが弱い画を描いてしまうんですね(苦笑)

だから、絵やデッサンの練習として明暗の変化に特化して学びたいのであれば初めのうちは 明暗の変化が比較的簡潔に整理されている写真を使うほうが簡単かと思います。

2 平面を平面で処理するというのは文字通りなんですがつまりは視差を含め、奥行きをあまり強く意識しなくてもある程度空間や奥行きを描けるんですよね。

実際のものや風景を描くにはパースペクティブとよばれる透視図法を用いて、奥行きを表現する方法があります。 

              

しかし両目で風景を見てしまうと左右の目で見た輪郭がずれていることに気づかないことがあるんですよね。そうすると地平線の消失点もずれることになります、、、。

画家はこの問題を直感あるいはマス目を引いて測ることでつじつまが合うように絵の中で再構成しているんですね。

絵を描く人としてはこのことを知っておいて損はないはずです。

一方、写真なら平面だし、実際のものや風景のサイズを縮小できるので、左右の目で見た時の輪郭のズレが小さく、視差によって生じる奥行きに気を取られることが少なくなります。

特に線で輪郭を描くときは平面的に脳で処理したほうが簡単に奥行きを感じさせる透視図が描けてしまうんですね。

3 ものを見て描く場合、写真や画像は一番手軽に条件に縛られずに扱うことができるモチーフです。

何故なら、一つは写真は日光のような時間による光の変化に左右されないこと、加えて写真中の色のバランスにある程度忠実に描けば絵が仕上がるからなんですね。

「いやいや、室内で蛍光灯を使えば実物のモチーフを長時間かけて見ながら描けるじゃないか」と言う人もいるかと思います。

確かにそうなんですが、だけど場所の制約がありますよね。。

写真や画像データを使って絵やデッサンを描くのなら紙と鉛筆などの道具があればどこにいても簡単に描けてしまうわけです。

特に野外のスッケチで足りなかった細部を写真で補いながら描いたり、別の場所で事前に取ったモデルの写真を見ながら、部屋で描いたりと使い勝手が良いんですよね。

・写真模写のデメリット

写真のデメリットは2つあります。

1 写真の明暗を描き分けても、いつも目で実感できる空間が描ける訳ではない
2 写真の画面端は形の歪みが大きいので、そのまま描き写すと不自然な形になってしまうことがる

1 写真をそのまま描き写しても空間がいまいち出ないことがよくあります。何故かと言うと絵を描くときに空間を出すための方法を幾つか使うのですが、写真の場合そのまま写したときに当てはまらないときがあります、、、

まず空間を出す方法として空気遠近法線遠近法があります。

空気遠近法は水墨画で見られる手前の景色と奥の景色を色の濃淡で空間や奥行きを感じさせる方法です。

一つ目のデメリットは空気遠近法を当てはめられないところが写真画像の中にあるという点です。

どう言うことかというと、現実世界にはたくさんの色が混在しているから奥に黒いものが置かれていることだってあります。でも写真はそのまま写し取ってしまうわけですよ、、、そのまま写真を見て描くと手前とおくの関係がいまいちなときがあるんですよね。。

僕も初めこのことに気づかず、薄っぺらい絵を描いていましたね(苦笑)。。

2 線遠近法は言い換えると透視図法です。水平線の消失点に向かって線を引き、またその点に向かって景色やものが小さく見える現象を線で描く方法です。

二つ目のデメリットは写真の画面端に注意しないと目で見て描いた透視図法と違ったイメージを描いてしまいかねない点ですね。

写真だと透視図が極端に見えたり、特に画面端は歪んだり、実際よりも傾いて見えたりするんですよ。 (下の写真の端の建物を見れば気づいていただけるのですが、目でみる場合よりも傾いて不自然に見えますよね、、)  

  

このことを知らないで写真をそのまま絵のモチーフとして描き写したりすると写真特有の形の歪みも一緒に描いてしまいます。。

なので写真を描き写すときは歪みの修正を意識しましょう。

・まとめ

写真は良くも悪くもレンズを通して見た世界を正直に見る人に示してくれるものです。

リアルな絵を描きたいのであれば、初心者は一度自分の目で実際のものや景色を見て描いてから写真を利用してほしいですね。。

そして写真を使う場合は今回取り上げた写真の見え方の特徴を理解して写真模写すれば絵やデッサンの練習にすごく便利なものなので皆さんも是非活かしてみてください。

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