どうも!講師のHouichiです。
今回は絵を描くときに自然と生じる「余白」について話していきたいと思います。
余白とは地のことで、紙の上に線で形を描いたらその周りの空いた部分が余白です。つまり何も
描かれていない部分のことです。
古来より、東洋では余白の美学がありました。特に中国や日本、韓国でも水墨画が盛んに描かれていて、
背景は紙の白をそのまま残す作品がたくさん描かれてきました。
何も描かれていないはずの余白なのに、描かれた山水画や花鳥風月の後ろには無限の
空間があるかのように感じることができます。
この点からも余白には何か不思議な効果があるみたいですね。
ではなぜ余白には空間を想像させることができるのか、なぜ空間を想像させることが重要なのか
について考えていきます。この点がわかってくると余白がなぜ重要かわかってきます。
目次
・余白が空間を想像させる理由
・余白が空間を感じさせることが重要な理由
・余白をよく見せるにはどのようなことに気を付けば良いのか
・余白が空間を想像させる理由
![](https://houichiart.com/wp-content/uploads/2021/12/man-g627f245af_1920-907x1024.jpg)
余白が空間を想像させる理由は2つあります。
・1つ目は描かれたモチーフがリアルであればあるほど、余白が空間に見えてくるためです。
描かれているモチーフが本物らしく描かれていることで余白が空間のように見えてくるんですね。
これは単に細かく緻密に描かれているから本物らしいのではなく、描かれたモチーフがきちんと
光と影によって、奥行きが描かれていることで、モチーフ自体に空間が生じて、それが余白と繋がっていき、
余白も空間に見えてくるわけなんですねー。
これは西洋画だけでなく、水墨画でも、手前奥の白黒の濃淡で空間を感じさせることができる理由です。
・2つ目は描かれたモチーフ同士の関係が空間があるように見せているためです。
これはモチーフが複数描かれていて、画面で動きのあるリズムを作り出したときに感じる空間感です。
明暗が乏しい平面的な絵でも、モチーフの大小を意識した透視図法や、
緩やかに曲線の流れに合わせて配置したモチーフの関係で、画面に抽象的な動きがうまれ、
それが空間に見える時があるんですね。
このようにモチーフの配置や透視図法で、余白が空間に見えることもあるんですね。
・余白が空間を感じさせることが重要な理由
![](https://houichiart.com/wp-content/uploads/2023/11/secret-3037639_1280-1024x646.jpg)
余白が空間を感じさせることが重要な理由としては、やっぱり、
無限を感じることに人はどこか惹かれるからで、
またこの世界も無常で、無限に変化しつづけているので、
それを無意識に自然だと感じるからなのでしょう。
いつも本質や良いものの理由はシンプルなんです。
・余白をよく見せるにはどのようなことに気を付けれ良いのか
![](https://houichiart.com/wp-content/uploads/2021/11/writing-g6b6ad7f2a_1920-1024x683.jpg)
余白をよく見せるにはまず、上の2つの章で言った、空間を感じるようにリアルに描ける、
あるいは構図がリズミカル、あるいは透視図法を使っていること、
この3つのどれかができている必要がああります。
そして特に構図では余白の形にどれだけ意識できているかで余白の良し悪しが決まります。
つまり、余白は地と図で言えば地であり、モチーフである図だけにとらわれず、
地と図の両方を平等に見て、どちらの形も美しくなるよう意識することが重要です。
余白が単調でつまらないときは、とこか単調な形が続いていて、
それを補う複雑な変化のある形がない、
あるいはリズムのつながりがまずいなど、たくさんの原因があります。
もちろん単調だけでは余白が良くないとは言えませんが、
単調な余白が画面の一部に偏った場合は注意した方がいいでしょう。
また一点モチーフを描く場合は、とてもシンプルなので、図であるモチーフの
上下左右のバランスをしっかり考えて配置するだけでも余白が美しくなります。
難点は複数のモチーフを描いた時にどう構図を組むかですね。
これは実際に描きながら、モチーフと対話しながら感覚を磨かないとできない部分も
たくさんあるので、手を動かしながら考えていくことが大切です。
最後までありがとうございます。楽しい1日をおすごしください✨