どうも!講師のHouichiです
今回はシルエットの形の効果について話していきます。
今回解説するシルエットとは、絵で言う輪郭や影絵的な面の形ですね。
イラストやキャラクターデザインなどの分野では、シルエットを見ただけで
どんな性格なのかがわかるように描けることが重要とさえ言われているんですが、
もちろん絵画の分野でも重要です。
物を描けば余白が生まれるように、物も余白の空間も両方大切にするならば、
シルエットの形は画面の構成にとってすごく重要になってきます。
それから、太古の絵画は始めに壁に映った影のシルエットをなぞった作品から
スタートしたという研究もあるくらいです。
ではシルエットを活用できるとどんな効果を出すことができるんでしょうか?
目次
・一瞬でモチーフの特徴を人に伝えることができる
・メインに描き込むモチーフ意外はシルエットを工夫することで、描き込みすぎなくても絵として成立させることができる。
・陰影の色面を塗るスピードが上がる
・一瞬でモチーフの特徴を人に伝えることができる
まずはシルエットを注意深く観察して描きわけることで、
そのモチーフの特徴をわかりやすく見る人に伝えることができます。
もちろん、本物らしく描くにはさらに、内側を描写する必要があるんですが、
絵を離して見れば、まずはシルエットが目に飛び込んでくるのではないでしょうか?
そして徐々に細部の印象に目をむけると思うんですね。
つまり、シルエットの印象がうまく掴めないと、内側を描いても
なんだか違う形に見えてしまうことも多々あります。
ただし、意識しすぎるとなかなか内側や細部を描けずに、前に進めなくなるので、
程よく見る感度を上げることが重要です。
・メインに描き込むモチーフ意外はシルエットを工夫することで、描き込みすぎなくても絵として成立させることができる。
シルエットを工夫することで、絵に軽やかさをもたらしてくれます。
細部を描き込むことで絵の密度や充実どが上がるので、メインのモチーフを
描き込むと絵の完成度が上がることが多いのですが、、
これは表現の一つに過ぎないんですね。
そこで、シルエットの要素多めで絵描き進める考え方があるんですが、
これはあえてシルエット的に処理することで、スタイリッシュで落ち着いた雰囲気を出したり、
脇役を目立たせないようにすることができます。
100%シルエットにしなくても、内側の描き込みを減らし、離れた時に色面的に、
シルエットの要素に見えるようにまとめるだけでも効果的です。
こうすることで鑑賞者に想像する余地を与えることができるんですね。
浮世絵などは、平面的なシルエットでまとめられているため、見る人が想像する量が
写実的な絵よりも多いと思いませんか?(例外あり)
描き込むことも、シルエット的に描くこともそれぞれ一長一短なんですね。
・陰影の色面を塗るスピードが上がる
制作が進まない原因の一つに、描かなければいけない部分が多過ぎることがあります。
例えば、色数をたくさん塗り分けなければいけないなどです。
そのうえ全部描いた方が良いと思ってしまう先入観がある場合も考えられるため、
余計に進みが悪くなってしまいます。
もちろん色数が必要な場合はたくさん塗り分けた方がいいですが、
描き出しの段階からこだわり過ぎても弊害なんですね。
反対に、出だしは陰影を色面で分割して、つまりシルエットとして理解していけば、
ざっくり描き進めることができるようになります。こうすることで、
そこまで色味や形を描き込まなくてもいち早くモチーフの印象を出すことができます。
私自身シルエット的に塗ることには不安を持っていた時期もあったのですが、
細部を描きたいタイプの人はどうしても、細部を省略することに
少し不安を持つ場合があるんですね。
けれど、これ以上失敗できない状態を想定することで、克服することができました。
失敗しても程度がしれていると開き直れば大したことではないんですね。
さらにシルエットを意識して描くコツとして、ざっくりしたシルエットがある程度できたら、
中ぐらいの色面のシルエットを描く場合は色味の幅は制限しつつ、似ている色を探しながら、
濃い順に塗り、ある程度細かく形を追っていくと完成が早くなります。
つまり、色面のシルエットは中盤は細かく描き分けていきながら、
色味の幅は制限して塗るんですね。
この描き方は短時間でも効果がある上に、長時間掛けて絵を描く場合でも、
形が狂いにくいためメリットが大きいです。
絵がモヤモヤして、パッとしない状態を改善したいときや、進みを早めたい時は
活用してください。
最後までありがとうございます。