どうも!講師のHouichi(鵬一)です。
絵を描く上で明暗はとっても大切な要素です。そして、具体的なモチーフを描く場合は
光と影を描くことが明暗を描くことです。
明暗のバランスが悪くなれば、ギクシャクした印象になって、拙い感じになってしまいます。
やがて光と影をある程度観察しながら描けるようになったならば、もう一段階ステップアップできるようになります。
それが光と影の質感の違いを意識して描くことです。でも「え、?光と影に質感ってあるの?」みたいな疑問があるかもしれません。
けれど、平面で三次元の感動を表現するには多少誇張するぐらいが丁度よかったりするんですね。
この光と影の質感が「ドライ&ウェット」と言われます。ドライが光で、ウェットが影です。
では、ではなぜ光がドライで、影がウェットなのか説明します。
目次
・光ードライ
・影ーウェット
・ドライ&ウェットの質感の出し方
光ードライ
まずは光側がなぜドライなのか考えてみましょう。もしかしたら、勘がするどい場合は気づいているかもしれませんが、このまま続けていきます。
さてドライは英語で、和訳すると「乾いた」という意味です。考えてみると日向は光が当たっていて、乾いた印象がありますよね。これが明るい光側がドライと言える訳です。そしてこれを絵やデッサンでも活かせるんですね。
光側の明るい色をドライにすることで、光側の色に質感が伴う訳です。
影ーウェット
ドライと同じ道筋で考えれば、影側はウェットつまり、濡れた、湿ったという質感になります。
確かに、影は陰湿で、爽やかな印象ではないですよね。どちらかと言うと、しっとりと、落ち着いた
イメージを持つのが影ではないでしょうか? 例えば土の上にある大きめの石をひっくり返すと、日陰になっている裏側はダンゴムシなどの虫たちがいて、土の質感は日向よりも湿っていますよね。
これが絵の中で影を描く場合も、しっとりと湿ったようなイメージで描くと影らしく描けるようになります。
絵の具やデッサンで「ドライ&ウェット」の質感の出し方
では具体的に絵をで光と影の質感をだすにはどうすれば良いのでしょうか・
まず光側を説明します。デッサンで光側のドライを表現するには描いたままの色味を大切にすることです。つまり、明るい光側から稜線にかけてはあまり擦りすぎないようにしたいんですね。
こすることで、柔らかい色の調子をだすことができますが、乾いた色味が失われるので注意しましょう。
次に絵の具でドライを表現する場合は絵の具を溶かすための水や油を減らして、乾いた不透明な絵の具をたっぷり塗ると上手くいきやすいです。
やっぱり、光側は細部もしっかり見える上に、エネルギーを感じるからです。そのためにも絵の具は多めに使ったほうが良いですね。
ただし、透明水彩は紙の白を残すことが多いので、必ずしも絵の具たっぷりではありません。とはいえ紙自体は乾いているので、質感的には問題ありません。
次に影のウェットの質感を出す方法を見ていきましょう。
デッサンの場合は、描いた影の調子をこすることで、しっとりとした影の質感になります。実際にこすってみるとわかるのですが色が紙の目に入り込み、鈍く落ち着いた色味になるんですね。これが影の質感にピッタリなんです。
では次に絵の具の場合です。
まず絵の具の量を減らして、水や油など絵の具を溶かす媒体の量を増やします。続けて絵の具を薄くのばしたり、薄い量の絵の具を何回も重ねます。
そうすることで、しっとりした落ち着いた影の質感を表現することができます。
今回は光と影の質感について解説していきましたが、なぜ光側がドライで、影側がウェットなのか理解できたと思います。
ぜひ今後の制作で意識してみてはいかがでしょうか?
最後までありがとうございます。楽しい1日をお過ごしください。