どうも!講師にHouichi(鵬一)です。今回はデッサンや下描きのための線描きで使う「あたり」について解説していきます。
簡単に言えばあたりは粗描きで、線または軽い陰影で大雑把にモチーフの印象を捉える方法です。
適度な太く荒い線で、素早く的確にモチーフの全体感をとらえることができます。
しかしあたりの使い方を間違えると効果は半減し、形も合ってきません。
ではあたりはどのようにを捉えて練習していけば、使いこなせるようになるのでしょうか?
目次
・なぜ、あたりを描いても形の印象が合わないのか?
・太すぎるあたりの弊害
・あたりの効果的な使い方
・なぜ、あたりを描いても形の印象が合わないのか?
あたりを描いても印象が合わない原因は大雑把すぎるからです。つまり、描きたいモチーフの比率を正確に捉えることができていない、ということす。
あたりは粗描きで良いのですが、目で観察するときは大雑把にしてはいけません。しっかり形の比率を測ることで、あたりが正確になっていきます。
ではなぜしっかり形の比率を図るのに粗いあたりを描くのでしょうか?
理由としては、修正の余地を残しておくためです。
どんなに正確に比率を合わせても、2、3度画面を調整したり修正したりする方が、なぜは絵がうまくいくことが多いんですね。形が合っていても、途中で絵の構図を変えたくなり、形をずらしたくなることも出てきたりします。
そのためにも、あたりという、ある程度幅のある粗めの線が便利です。
何事も突然の変化に対応できるくらいの余裕を持っておいた方が精神的にもよく、制作が捗ったりするものです。
また慣れてきたら、目測でも形が正確に描けるようになったり、自由制作の場合は、ぼんやりした
頭の中のイメージを段階を踏んで具体化するためにも、あたりは活きてきます。
・太すぎるあたりの弊害
太すぎるあたりは弊害であることが多いです。なぜなら、求めるイメージの方向を曇らせることがあるからです。ある程度余裕をもたせるためのあたりの線であっても、太すぎると邪魔です。
太すぎる場合は線ではなく面や陰影のつもりで描いていきましょう。
ではあたりの線の太さの目安はどうでしょうか?
結論としてはあなたが確信を持って線が引ける幅ですが、人によってまちまちです。
おおよそ2ミリから、1センチほどです。そしてこれは画面の広さによって変わってきます。長編が50センチぐらいの紙であれば2〜3ミリで十分です。これ以上太いと、いつまで経っても形が決まりません。
線はあくまでも塊や面を見るための補助です。線がつながれば、面になり、面になれば、面と面の関係で
見ることができるようになるので、線に縛られずに形を見ることができるようになるんですね。
・あたりの効果的な使い方
あたりを効果的に使うにはスピードのリズムに乗ることです。ゆっくり描いてもあたりの効果はあまり期待できません。早すぎてもダメだし、遅すぎてもいけないんですね。
ではどうやってリズムに乗るのか、一つの方法として、一点に意識を留めず、常に流動的でいることです。
ちょっと抽象的ですよね。具体的に言うと常に二箇所以上の関係を見比べることです。形が思うようにならないのは、視点が狭く画面全体のバランスを見落としているからです。
常に画面全体に意識が行き渡れば、形が思うように描けるようになっていきます。
でも全体に意識を広げるのはとても難しいですよね。。
目の構造上、一箇所を見たら、周りに意識が行かなくなりやすいんですね。それを解決する簡単な方法として、最低二箇所の形のバランスをみる方法があるんですね。
1箇所の輪郭が決まったら、真横の形や対角線上の形、真上の形などに、もう1箇所の形のポイントを決めて2つの比率や形のバランスを見比べます。
製作中は常に見比べる癖をつけることで、形が変になることが減っていきます。
一番形のバランスが崩れやすい見方は一部の輪郭線だけ焦点を当てて、あたりの線を引き、周りと形を見比べないことです。
あたりの時点で大雑把に形の関係を見比べるからこそ、後半に線を清書したときに正確で、リズミカルな線がが引けるわけですね。
どうでしょうか?かなり基本的な意識するポイントですが、甘く見ると形が狂いやすくなります。
ぜひ効果的にあたりを使いこなして、思うような形が描けるようにしていってください!
最後までありがとうございます。楽しい1日をお過ごしください。