取捨選択でスピードを極める――速描き三段ロケットと“諦める勇気”の磨き方

取捨選択でスピードを極める――速描き三段ロケットと“諦める勇気”の磨き方

どうも!講師のHouichiです。今回は早く描けるようにするための効果的な方法テーマに話していきます。

前提として枚数が重要で、これは単純枚数だけではなく、プラス手を動かした回数も大切で、一枚の中で何回手を動かして思考していったかも意識できると良いですね。

そして今回取り上げポイントは、、

ズバリ、取捨選択と諦める勇気です。

いったいなぜ重要なのか続きを見ていきましょう。

1 重要度を見直す――「核」に全リソースを投下せよ

2  重複箇所をできる限り減らす――テンプレート化と一括処理

3 時間制限を厳しくする――タイムアタックで身体に覚え込ませる

1. 重要度を見直す――「核」に全リソースを投下せよ

作品を速く仕上げる最大の鍵は、質を犠牲にすることではなく「何を残し、何を切るか」を最初に決め切ることです。

小説で言えばテーマ、料理で言えば主素材。

イラストなら顔・ポーズ・光源が核になります。

制作前に、①視線を集める要素—(メインの形やラベル、ハイライト、固有色、など)、

②物語性を支える要素、(デッサンや着彩であれば、構図にあたる)

③あってもなくても成立する装飾(脇役の質感、や細かな要素)、の三段階にラベル付けし、

チェックリストを作成しましょう(意識しするだけでも効果的)。

核以外の項目には“3分ルール”を設け、3分で処理方法が浮かばなければ大胆に簡略化。

(必要に応じて時間制限を掛けることがポイント

逆に核の項目は時間を惜しまず磨き上げます。

この二段階ギアが、速さと完成度を同時に担保します。

2. 重複箇所をできる限り減らす――テンプレート化と一括処理

工程内の“重複”は時間泥棒です。同じパターンの木を何本も描く、

同じハイライトを何度も入れ直す――こうした重複は「描く」のではなく「複製する」か

「省く」で解決できます。

デジタル絵なら、初めに汎用ブラシを作り、樹木や雲をスタンプ的に配置。

キャラクターを連写する漫画原稿なら、骨格ラフとパースグリッドを共通レイヤーにしておき、

衣装と表情だけを差し替える。資料もフォルダ分けして“検索の重複”を排除することができます。

アナログのデッサンであれば、同じ色や影の部分は一度に全部塗って、

2度塗り分ける作業を減らせば、単純計算として時間が半減します。

これは水彩など着色する場合も同じです。

下地のベースをいかに、無駄を省いて、修正を減らし、細部や仕上げに必要なところに

時間をかけられるかにかかっています。

『同じ判断を二度しない』という意識が、手数より先に思考の回数を減らし、

結果として作業時間を短縮してくれます。

3. 時間制限を厳しくする――タイムアタックで身体に覚え込ませる

意識的な時間制限は、創造力のリミッターを外してくれます。

おすすめは単品モチーフ練習60分一発勝負:構図5分、線画10~15分、色または明暗20分、

仕上げ20分(全体の影と明暗対比、密度の調整)。

キッチンタイマーを鳴らし、次の工程に強制的に移るルールを守りましょう。

タイムアップ後は“赤ペン反省会”を5分だけ実施し、遅れた原因を一文でメモします。

翌日そのメモを冒頭で読み返してから再び60分アタック――このPDCAを10回回す頃には、

無駄な筆運びが自然と削ぎ落ち、制限時間は恐怖ではなく羅針盤に変わるんですね。

まとめ

やはり速さは才能ではなく、取捨選択の技術と習慣です。

①核を決めて重要度を可視化し、②重複タスクをテンプレート化して削減し、

③厳密な時間制限で改善サイクルを高速回転させる。

この三本柱を守れば、「諦める点と諦めない点」の境界線が明瞭になり、

仕上がりの質を落とさずに制作速度を倍増できます。

今日の一枚から実験し、記録し、次につなげる

その小さな積み重ねこそが“速く描ける人”を作る最速の道です。

最後までありがとうございます。