すぐうまく行くことは必ずしも良いことではない理由3選:制作全般について

すぐうまく行くことは必ずしも良いことではない理由3選:制作全般について

どうも!講師のHouichiです。

今回は、制作全般に関してすぐにうまく行くことは必ずしも良いことではない、

というテーマについて話していきたいと思います。

制作で上達したかったり、何か理想の状態を目指すのはごく自然なことですが、

みんなそれぞれのペースがあるので、できるようになるまでに

かかる期間や枚数はそれぞれ違ってきます。

またすぐに描けるようになる人もいれば、時間がかかってしまう人もいるでしょう。

僕自身はできるようになるまで時間が掛かるタイプだったので、

速く上達した人たちに憧れていた時期もありました。

でもどうせなら、すぐにうまく行くほうが嬉しいですよね。特に美大受験に向けてや、

展示に出品する場合はその気持ちは一層強くなるかも知れません。

けれども、すぐにうまく行った場合には良いことだけではなく、問題点もたくさんあるんですね。

この問題点を踏まえて学んでいくことで、本当の意味でうまくいくことの本質を

理解できるのではないかと考えているので、見ていきましょう。

・問題点1 再現性に乏しい

・問題点2 すぐに忘れる

・問題に対処するために意識すべきこと

・問題点1 再現性に乏しい

まず、すぐにできたことは、なぜそれができたのか、そのポイントを本当の意味で

理解できていない可能性が高いです。特定のものが描けても、

別のものに応用ができるとは限りません。なぜなら、できたかどうかの判断が

他人任せであったり、できる理由も理解していないからです。

必ずと言って良いほど、必要な時間をかけてできるようになった場合は

自分の言葉で説明できるようになります。そして失敗も経験しているので、

異なる条件下で同じような再現をする知恵も持ち合わせています。

例えば、製作している途中に使っている筆が消耗して、使い勝手が悪い、

と気づいた時に換えがなかった場合に、その道具をどう使えば一番効果的に使えるのか、

光源が四方八方からある場合どういう編集をすれば、絵を仕上げられるのか、

こう言ったものはすぐにできてしまった時には、気付けないものだったりします。

僕自身、始めたばかりに描いたデッサンが思いの外出来が良く、

先生からはよくその作品と他の作品を比較され、

それ以降それをなかなか越えられずに苦しんでいた時期が1年ほどありました。

けれでも、そこから抜け出すために、徹底的になぜそれができるのかについて、

仮説検証を繰り返してきました。

そうやって、まぐれでできたことを、いつどんな時でも、再現できるようになりましたね。

・問題点2 すぐに忘れる

すぐにできたものは、すぐに忘れます。先ほど言ったように、まだできた理由を

深く理解できていない場合が多いからです。またすぐにできてしまうことに対して、

価値をあまり感じない心理も少なからず働いてしまうものです。

また深く理解できていなければ、その時できていたことが次回もできるとは限らないんですね。

この点、時間と枚数をかけて取り組んでいけば、その日のコンディションによって、

できたりできなかったりということが減っていきます。

・問題に対処するために意識すべきこと

ではすぐにできてしまった場合はどういったことを意識すれば、良いんでしょうか。

1つの解決策としては、できた時の感覚をしっかり、意識的に覚えるようにして、

かつ、できない時の感覚と理由も覚えておくという方法です。

本当の意味で理解できていない時は、条件が変わればすぐに、できなくなってしまうので、

むしろその時こそ学びの時です。改善点の見つけ方として、

「前のモチーフとどこが変わったからできなかったのか」、

「単純に情報量が増えたから、手と目が追いついていないだけなのか」

「新しい理解すべき要素はあるか」「共通点は何なのか」

こう言った意識を持って制作に取り組むことで質の高い制作をすることができます。

制作する時に意識できることが増えると成長し、やがて無意識でもできるようになり、

この流れをしっかり理解して取り組んでいけば、自ずと必要なものが見えてきます。

最後までありがとうございます。