制作で壁を破る鍵は「まだ試せることはないか」──3つの理由と実践例

制作で壁を破る鍵は「まだ試せることはないか」──3つの理由と実践例

どうも!講師のHouichiです。

今回は「まだ試せることはないか」の思考が制作には大切な3つの理由」

というテーマで話していいきます。

よく完成間近やつまづいた時は、迷いが出てきて、次どうすれば良いのか浮かばずに、

そのまま流れていってしまうことはないでしょうか?

けれども、そこをちゃんと掴めば、次のステップに進めるチャンスでもあるんですね。

今回はそのチャンスを掴むための方法としてまだ試せることはないか、

を習慣に取り入れてみることをお勧めします。

私自身講師として指導に取り組む過程で、想定通りにいかないことがたくさんありましたが、

そんな時はどうにかして、違う方法を見つけるようにしてきた結果、

問題や課題ができた時の捉え方が豊かになってきた経緯があります。

例えば、いったことが理解してもらえない、あるいは忘れている、基本を応用に活かせない。

あるいは単純に加減がわからない。

本質的にはできるかできないかを決めているのは自分であって、

そのことに気づけば、できる方に意識を向けて、できる理由を探すようになるんですね。

どんなに難しいと思うことだとしても、必ず1歩を踏み出すことはできます。

例えば生徒さんが制作している過程で、理解できていないまま、次に進めない時がありました。

また色々問題を取り上げても、結局変化が薄いと感じたことがあったんですが、

そんなときに、もしかしたら1度に情報を多く渡して、受け取りきれないことがないだろうか

などと気づいたんですね。なぜなら、自分にも似たような経験があったからです。

立場が変わると、見る視点を注意深くしないと、なかなか気づけないことがあるため、

一度普段の思考を捨てる意識が必要でした。

そこで内容を減らして、1点集中して取り組んでもらうあるいは、

回数を分けて取り組んでもらうなどの方法が見えてきたんですね。

このようなことがあったことをきっかけに、以下に3つの活用ポイントをまとめてみましたので、見てみましょう。

1 問題の解像度を意識的に上げることができる

2 取りこぼしを防げる

3 同じ内容でも繰り返し確認することで違うアイデアや工夫が見えてくる

1 問題の解像度を意識的に上げることができる


「まだ試せることはないか」と自問すると、曖昧だった課題を粒度の細かい問いにまで

分解できます。

たとえば、油彩で人物の肌が濁って見えると感じた場合、「絵具が悪い?」で終わらせず

「混色比率」「下地の色」「乾燥時間」などを一つずつ洗い直す──それぞれに追加で

試行すべき小課題が見えてきます。

結果、問題そのものを高解像度で捉え、原因をピンポイントで突き止められるため、

修正の精度が格段に上がるんですね。

2 取りこぼしを防げる

制作プロセスは無数の選択で構成されます。途中で「もう十分」と判断すると、

実は有望な手段を見落としていることも。

「まだ試せることはないか」という視点はチェックリストの役目を果たし、

選択肢の漏れを防ぎます。

たとえばデッサンで陰影が単調に感じたとき、

①光源の高さや方向を変えて立体的に空間的にみやすい印象にする

②鉛筆の種類を使い分けて質感を描き分ける、

③練りゴムの形を工夫しつつ、ハイライトを掘り起こす――

といった追加アプローチを一つずつ検証すると、最初の構図では埋もれていた形の起伏や

微妙なトーンの差が見えてくるようになります。

再点検によって潜在的な表現の幅を拾い上げ、完成度を底上げする

“保険”として機能するんですね。

3 同じ内容でも繰り返し確認することで違うアイデアや工夫が見えてくる


創作では、同じ材料でも時間や視点を変えるだけで新しい発想が生まれます。

制作途中のアニメーションカットを「もう一度」観察し、

別のカメラ角度やライティングを試す──それだけで動きの緩急や影の落ち方に

新たな魅力が立ち上がることがあります。

漫画家が下書きを鏡像にして違和感を探すように、

反復確認は“アイデアの漉し器”として働き、初見では拾えなかった工夫を引き寄せるんですね。

まとめ

「まだ試せることはないか」という思考は、

①課題を細分化して焦点を高精度化し、

②手段の漏れを防ぎ、

③反復によって新たな発想を掘り起こす――

という三層構造で制作を支えます。

行き詰まりを感じた瞬間こそ、試行の余白を探るこの問いを習慣化すれば、

作品の完成度もクリエイターとしての成長速度も大きく伸ばせるはずです。

参考にしてみてください。

最後までありがとうございます。