「一生懸命」の罠を外す——制作が伸びる人の3つの見直し点

「一生懸命」の罠を外す——制作が伸びる人の3つの見直し点

どうも!講師のHouichiです。今回は「制作での一生懸命を間違うポイント3選」

というテーマで話していきます。

枚数を重ねて急に上達する瞬間は誰にでもありますが、その直後こそ危険帯。

うまくいった理由を言語化しないまま“勢い”で走り続けると、同じ失敗を増幅させます。

では何を直せば、努力が確実に伸びに変わるのか?結論はこの3つ——①同じ失敗の再生産、

②方法論の誤用、③課題未分離。順にいきましょう。

1)枚数はたくさん描くけど、同じ失敗を繰り返す

2)間違った方法で一生懸命取り組む

3)課題の分離をせずに、全部いっぺんに解こうとする

1)枚数はたくさん描くけど、同じ失敗を繰り返す

「量は力」は半分だけ正しい。毎回おなじ誤差——頭が大きい、接地が曖昧、陰影境界が流れる

——こう言ったもんだはないですか?ここで必要なのは一枚一仮説

今日は「最長距離を最初に測る」「頭身7.5で固定」「10分で接地線を決定」など、

検証可能な条件を一つだけ設定しましょう。

描き終えたら「実行できたか」「結果は改善したか」を記録します。


具体例:色彩では、開始10分でアイデアを1つ以上描き出し、ジャッジせず、残り20分以内に

二つ以上の案を出す→その中で一番良かった案を選ぶ、

→色彩を15分で大まかに決める(細部は描きながら決めていく)→

実際に大面の明暗を塗っていき、この手順を固定。

固定することで同じ条件で描いたときの実力を確認することができます。

チェックシートに達成率を数字で残すと、量がそのまま再現性のある伸びに変わります。

2)間違った方法で一生懸命取り組む

努力は“方向”が命。油彩の発色が濁るのに、筆圧と塗り重ねで突破しようとすると

灰色化が進行する。原因は多くが手順レイヤーにあります

(配色・層の順序・媒材(油)・乾燥管理)など。


具体例:直塗りの赤が鈍る場合、下層に中明度グレーを薄く敷いて乾燥→

上から高純度の赤を置く方法に変更。

補色の無自覚混入を避け、筆運びは最小化、速乾しすぎない媒材配合にするといいですね。

デッサンなら「描き込み不足」と感じる前に、視点の高さ/パースの変化/

主要の明暗(明るい・中間・暗い・反射)を最初の45分で確定するルールを投入。

根性投入の前に原因レイヤーに合った手順へ矯正する——これだけで時間は短く、

結果は安定します。

3)課題の分離をせずに、全部いっぺんに解こうとする

形・明暗・色・質感・構図を一枚で一気に解決しようとすると、要素が干渉してどれも中途半端になりがち。

学習速度を上げるには課題分離→並列練習→統合が近道です。


具体例:日常にあるモチーフでミニ課題を回す。

  • 形だけ:クロッキ−100枚。
  • 明暗だけ:ベースの影までを20枚練習。
  • アイデア:テーマを決めて20課題のエスキースを描く。
  • 色だけ:主従設計(主1:従2:アクセント0.5)を守るなど・・・

↑全て時間を決めて取り組むのが重要です。
そして最後に統合一枚へ戻すと、要素の“独り立ち”が進み、仕上げの安定感が一段上がります。

まとめ——“がむしゃらから戦略的

  • 同じ失敗を止める:一枚一仮説+実行チェックで量を学習に変換。
  • 方向の誤りを正す:原因要素ーに適合する手順を先に整える。
  • 詰め込みをやめる:課題分離→統合で干渉を防ぎ、再現性を獲得。

これらを意識的に取り入れていくことで、「頑張っているのに伸びない」を、

見える・続く・再現できる伸びへ切り替えていきましょう。

最後までありがとうございます。